クエン酸回路(citric acid cycle) †
解糖系から送られてきたピルビン酸をアセチルCoAとし、1分子のアセチルCoAから計9分子のATP(2分子の二酸化炭素、3分子のNADH、1分子のFADH2、1分子のATP)を得る反応。TCA回路やトリカルボン酸回路、クレブス回路とも呼ばれる。
アセチルCoAを酸化的に分解する過程でADPをATPに変換すると同時に、オキサロ酢酸を生成し、それをさらにホスホエノールピルビン酸に変換することで解糖系からエネルギーを得る。*1
好気呼吸を行う生物がATPを生み出すために行う反応であり、ミトコンドリア基質で行われる。
ここで生じた水素はミトコンドリアのクリステに送られる。二酸化炭素やGTP、NADH、FADH2も生成される。
ビタミンB1にはクエン酸回路の反応を促進する働きがある。*2
細胞内のATPが十分であれば、以下の酵素の活性が抑制されてクエン酸回路の反応が抑制される。*3
- ピルビン酸デヒドロゲナーゼ
- クエン酸シンターゼ
- イソクエン酸デヒドロゲナーゼ
- 2-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ?
電子伝達系と連動している。
クエン酸回路の全過程*4*5 †
- アセチルCoA + オキサロ酢酸 → クエン酸
- クエン酸 → (シス-アコニット酸) → イソクエン酸
- イソクエン酸 → オキサロコハク酸
- オキサロコハク酸 → α-ケトグルタル酸
- α-ケトグルタル酸 → スクシニルCoA
- スクシニルCoA → コハク酸
- コハク酸 → フマル酸
- フマル酸 → リンゴ酸
- リンゴ酸 → オキサロ酢酸
最後にできたオキサロ酢酸の一部はホスホエノールピルビン酸に代謝され、解糖系でエネルギーを生み出す。残りは再度アセチルCoAとクエン酸を生成する反応に利用される。
*1生体分子化学 徳島文理大学薬学部 江角朋之: http://p.bunri-u.ac.jp/lab23/esumi/BioMolChem1.pdf
*2すこやかインフォメーション|東京慈恵会医科大学附属病院(本院):http://www.jikei.ac.jp/hospital/sukoyaka/index_08_2.html
*3秀和システム 生化学若い研究者の会 これだけ!生化学
*4生体分子化学 徳島文理大学薬学部 江角朋之: http://p.bunri-u.ac.jp/lab23/esumi/BioMolChem1.pdf
*5クエン酸回路・電子伝達系(2)平成28年5月31日 生化学2(病態生化学分野)教授 山縣和也: http://www.medic.kumamoto-u.ac.jp/dept/biochem2/class/280531-2.pdf
*2すこやかインフォメーション|東京慈恵会医科大学附属病院(本院):http://www.jikei.ac.jp/hospital/sukoyaka/index_08_2.html
*3秀和システム 生化学若い研究者の会 これだけ!生化学
*4生体分子化学 徳島文理大学薬学部 江角朋之: http://p.bunri-u.ac.jp/lab23/esumi/BioMolChem1.pdf
*5クエン酸回路・電子伝達系(2)平成28年5月31日 生化学2(病態生化学分野)教授 山縣和也: http://www.medic.kumamoto-u.ac.jp/dept/biochem2/class/280531-2.pdf
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このページの最終更新日時: 2018-04-17 (火) 09:54:32