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ケルセチン(quercetin)

フラボノイド系のポリフェノールのひとつ。クエルセチンクェルセチンとも。分子式は C15H10O7

ケルセチン(クェルセチン)の化学構造

ルテオリンヒドロキシ基が1つ付加した誘導体リンゴや玉ねぎ、シソなどに含まれる。食事で最も多く取り入れられるフラボノイドとされる。タマネギに含まれる抗酸化作用を持つ物質はケルセチン配糖体とされる。*1*2

ケルセチンの効果

強い抗酸化作用を持っている。また、様々な酵素の活動を活性化および抑制することで抗がん作用や抗炎症作用を発揮する。*3

1993年にオランダで行われた疫学調査で、タマネギやりんごなどからケルセチンをはじめとするフラボノイドを多く摂取していた人は、心臓病の発症率が低かったという結果が得られました。*4

また、ルテオリンと同様に、ケルセチンには過剰なコレステロールの吸収を抑制することから、高コレステロール血症の予防に繋がることが示唆されている。

ケルセチン脂肪肝改善や脂質代謝改善の作用は、C/EBPβに結合することで、小腸細胞リポタンパク質代謝に関わる遺伝子(特にアポB遺伝子)の発現を低下させることによることが報告されている。*5

ケルセチンプレニル化誘導体6-プレニルケルセチンなど)がヒトに対して有益な作用を有することが報告されている。*6

ケルセチンを含む食品*7

*1食品ポリフェノールが腸管におけるコレステロール吸収を抑制するメカニズムを解明: http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2014/20140529-1.html
*2北海道産タマネギ品種のケルセチン含有量と抗酸化能の差異: http://ci.nii.ac.jp/naid/10031202126
*3Quercetin Enhances Intestinal Barrier Function through the Assembly of Zonnula Occludens-2, Occludin, and Claudin-1 and the Expression of Claudin-4 in Caco-2 Cells: http://jn.nutrition.org/content/139/5/965.full
*4ケルセチン | 成分情報 | わかさの秘密: http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/quercetin/
*5機能性食品成分ケルセチンによる代謝改善効果の新たな分子機構を解明: http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2015/20150512-1.html
*6KAKEN — 研究課題をさがす | 機能性フラボノイドープレニル化の生理的意義の解明 (KAKENHI-PROJECT-25292075): https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-25292075/
*7国立大学法人 旭川医科大学抗酸化機能分析研究センター: http://food-db.asahikawa-med.ac.jp/dictionary.php?content=component_dictionary&id=138

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このページの最終更新日時: 2020-10-19 (月) 07:56:11