健康用語WEB事典

サリシン(salicin)

発熱や関節炎リウマチ)の治療に利用されていた有機化合物。サリチルアルコール配糖体。ヤナギの樹皮からの抽出物であり、名前の由来はヤナギの属名である Salix である。サリチンとも呼ばれる。

サリシンの化学構造

非ステロイド系抗炎症薬の起源。後にサリチンからサリチル酸が抽出された。

1838 年,Piria はサリチンよりサリチル酸を抽出・同定し,さらに 1860 年には Kolbe によってサリチル酸が合成された。また,1876 年にイギリスの MacLagan は,サリチンが急性リウマチリウマチ熱と思われる)の治療に有効であると Lancet 誌上に発表した。この報告が,NSAIDsリウマチ性疾患の治療に用いたことを記載した最初の医学的記録と考えられている。*1

サリシン自体は非常に苦味が強く、として使われることはほとんどなかったとされる。*2

*1聖マリアンナ医科大学 医学会 非ステロイド抗炎症薬 川合眞一: http://igakukai.marianna-u.ac.jp/idaishi/www/296/01kawai.pdf
*2(株)化学同人 京都大学大学院薬学研究科 くすりをつくる研究者の仕事 薬のネタ探しから私たちに届くまで 2017/3/30

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このページの最終更新日時: 2019-08-20 (火) 11:48:36