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スルフォラファン(sulforaphane)

ブロッコリーとその発芽物のブロッコリースプラウト(ブロッコリーの芽)に含まれるファイトケミカルの一種。イソチオシアネートのひとつでもある。

スルフォラファンの化学構造

植物には、スルフォラファンの前駆体としてグルコラファニンなどスルフォラファングルコシノレートが含まれているが、ヒトの腸内細菌の中には、これをスルフォラファンに変化させる働きをする酵素を持つものがいるため、腸管内で代謝されてスルフォラファンとして吸収される。

スルフォラファンの効果

転写因子であるNrf2の活性化効果があり、うつ病を予防する効果が確認されている。

炎症ストレスに伴い、内のKeap1-Nrf2系が低下し、うつ症状が起きていると推測される。今回の研究成果は、近年提唱されているうつ病炎症仮説を支持する成果である。さらにスルフォラファンは、ブロッコリースプラウト等の緑葉野菜に多く含まれる安全な化合物であるため、栄養学的観点から、食事として摂取することにより、うつ病の予防やうつ病患者の再発予防として有用であると考えている。*1

悪性腫瘍を抑制する効果があり、がんの予防に効果があるとされる。これはPhaseⅡ酵素を誘導することによるとされる。*2

米国ジョンズ・ホプキンス大学のがん予防研究の世界的権威であるポール・タラレー博士は、1990年代にブロッコリーに含まれる「スルフォラファン」に腫瘍の形成を抑制する効果を発見し、高濃度にスルフォラファンを含むブロッコリースプラウトを開発して一大ブームを巻き起こしました。*3

他にもスルフォラファンには、以下のような様々な効果が確認されている。

カゴメは以前より「スルフォラファン」の力に注目し、研究を続けてきましたが、このたび世界で初めて※2、ヒトを対象に「スルフォラファン」の継続摂取試験を行い、機能が改善する可能性を確認しました。機能異常の男性52人を、「スルフォラファン」を毎日摂る人と摂らない人のグループに分け、2ヶ月後に検査したところ、摂取したグループの「γ-GTP」や「ALT」の平均値が改善しました。*5

今回の研究から,既に知られていたスルフォラファンの解毒・抗酸化作用に加えて,①脂肪細胞の褐色化を促進することでエネルギー消費を増大させ,肥満を抑制する作用,②高脂肪食による‘肥満型’腸内細菌叢(そう)を改善し,代謝性エンドトキシン血症?を抑える作用,という新たな2つの作用を明らかにしました。これらの作用には,肝臓脂肪組織炎症インスリン抵抗性を改善させ,生活習慣病の予防につながる波及効果が期待されます。*6

*1千葉大学 うつ病の病因に転写因子 Keap1-Nrf2 系が関与 ~野菜に含まれる化合物でうつ病を予防~ : http://www.chiba-u.ac.jp/general/publicity/press/files/2016/20160729.pdf
*2プラスチック袋を利用したブロッコリー中有用物質の増強法を発見: http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2018/20180226-1.html
*3スルフォラファンとは?|村上農園 を知る: http://www.murakamifarm.com/about/functional/sulforaphane/
*4ブロッコリースプラウトエキスに花粉症を抑制する効果が期待: http://www.kagome.co.jp/research/summary/100402/
*5カゴメ株式会社|40代からの肝臓ケアにスルフォラファングルコシノレート: http://sulforaphane.jp/
*6ブロッコリースプラウトに含まれる成分が肥満を抑制! | 金沢大学: https://www.kanazawa-u.ac.jp/rd/43969

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このページの最終更新日時: 2018-03-31 (土) 21:23:07