健康用語WEB事典

セレノインスリン(selenoinsulin)

東海大学、東北大学、大阪大学の共同研究グループが合成した人工のインスリン

牛の肝臓由来の天然のインスリンに含まれるジスルフィド結合の一つをジセレニド結合に置換したもの。「セレノ」はセレン原子(Se)を利用していることに由来する。

我々の研究チームは、S よりもさらに反応性に富んだセレン(Se)原子に着目し、S を Se に置き換えたインスリン A 鎖および B 鎖を用いれば、迅速に鎖間でジセレニド(SeSe)結合が形成されるため、両ペプチド鎖の会合反応を効率的に行えるのではないかと仮説を立てました。さらに、SeSe 結合は SS 結合よりも安定しており、インスリン分子に対して立体構造の“硬さ”と、それに起因する IDE 分解耐性を同時に付与できるものと予想しました。*1

その立体構造と生理活性が天然のインスリンと同じでありながら、インスリン分解酵素IDE)に分解されにくい性質を持つため、体内で薬効が長時間持続する新たなインスリン製剤として糖尿病治療などへの応用が期待されている。

*1新規人工インスリン「セレノインスリン」の化学合成と機能解明に成功 ~体内での薬効が長時間持続する新規インスリン製剤への応用に期待~ | プレスリリース | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-: http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2017/04/press20170411-01.html

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このページの最終更新日時: 2017-12-04 (月) 18:06:40