健康用語WEB事典

チェックポイント阻害抗体(checkpoint inhibitor)

キラーT細胞が持つ、その活性化の抑制に関わる受容体である免疫チェックポイントCTLA-4PD-1)をブロックする抗体免疫チェックポイント阻害剤とも。

通常、キラーT細胞の活性化を抑制することは、身体に過剰な負荷をかけないために必要である。しかし、がん細胞の中にはこのことを利用するものがある。つまり、キラーT細胞が持つこの受容体に結合するリガンド発現し、キラーT細胞を抑制して攻撃を免れるものが存在する(がん免疫逃避機構)。

したがって、あらかじめこの受容体に結合する抗体によってがん細胞発現するリガンドの結合をブロックしておくことで、がん細胞からの抑制を阻止して、がんを攻撃することができるようになる。

キラーT細胞の制限を解除しているため、副作用として自己免疫疾患が現れる場合がある。

主に悪性黒色腫の治療薬。近年では腎臓がん前立腺がん非小細胞肺がんなどに応用されている。チェックポイント阻害抗体による治療対象となるがんの種類は今後も増えると予想される。*1*2

*1技術評論社 桂義元 免疫はがんに何をしているのか? 見えてきた免疫のメカニズム 2016/12/25
*2東邦出版 星野泰三 吉田朋子 共著 がんのプレシジョン免疫学(2017/8/21)

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このページの最終更新日時: 2017-12-04 (月) 18:06:45