健康用語WEB事典

テロメライシン(telomelysin)

テロメラーゼ依存的腫瘍融解アデノウイルス製剤の商品名。岡山大学で開発された。OBP-301とも。OBP-301を改変したものにOBP-702がある。*1*2*3

アデノウイルスE1B-55kDaタンパク質を介して細胞DNA修復に重要な役割を果たすMRN複合体Mre11RAD50NBS1)を分解する機能を持ち、この分解によりATM?の活性化が抑制され、DNA修復機構が阻害される。

「テロメライシン」は、風邪ウイルスの一種であるアデノウイルスのE1領域に、多くのがん細胞で活性が上昇しているテロメラーゼという酵素プロモーター遺伝子改変によって組込み、がん細胞中で特異的に増殖してがん細胞を破壊することができるようにしたウイルス製剤です。*4

食道がんに対する有効性が報告されている。正常な組織細胞にも感染するが、それにはテロメラーゼ活性がないためウイルスは増殖せず損傷は少ないとされる。

*1テロメラーゼ依存的腫瘍融解アデノウイルス製剤による放射線感受性増強作用: https://www.jstage.jst.go.jp/article/joma/123/2/123_2_103/_article/-char/ja/
*2オンコリスバイオファーマ株式会社 次世代テロメライシン OBP-702 に関する岡山大学との業務請負契約締結の件: https://ssl4.eir-parts.net/doc/4588/tdnet/1760746/00.pdf
*3岡山大学 食道癌に対する腫瘍融解ウイルス『テロメライシン』の臨床研究 第 1 例目投与: https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/soumu-pdf/press25/press-131206.pdf
*4食道がんに対する放射線治療を併用した腫瘍融解ウイルス「テロメライシン」の臨床研究の最終報告 - 国立大学法人 岡山大学: https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id593.html

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このページの最終更新日時: 2019-11-29 (金) 08:24:26