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がん遺伝子が新しいエピトープを獲得する突然変異。なかにはがん抗原となるものもある。*1
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国内の死因の3分の1を占め、現在も増加傾向にあると言われる遺伝子異常による疾患。症状は、細胞が無秩序な増殖を繰り返し、周囲の組織や他の組織にまで侵入(浸潤)し、自他の組織を破壊する悪性腫瘍となる。がん細胞は、ATPを常に解糖系で生成しており、大量の乳酸を生じさせる(ワールブルク効果)。また、浸潤や転移を行うために、基底膜のメラニンやコラーゲンを分解するための酵素の活性が高くなっている。がん細胞自体は1日5000個程度生まれていると考えられているが、生体の免疫によってがん細胞は…
抗体によって認識される抗原の一部のこと。抗体が持つ抗原結合部位に結合する抗原分子上の一部。抗原決定基とも呼ばれる。抗体は、例えば、抗原がタンパク質であるとすると、そのタンパク質全体を認識するのではなく、その一部(アミノ酸数個程度)のみを認識する。タンパク質などの大きい分子であれば、異なるエピトープを多数持つ(多価抗原)。エピトープの部分だけを抗原から取り出しても、立体構造が保たれてれば抗体と結合できる。抗体に結合できるが、抗体の産生を促さない分子量が小さいエピトープをハプテン…
遺伝情報を表すDNAの塩基配列の一部のこと。生物の性質は遺伝子により親から子へ引き継がれる。当初は、親から子に伝わる粒子様の因子に対して付けられた名前であったが、後にそれが現在は染色体と呼ばれるものであり、その染色体の本体が2本のDNAの核酸塩基が繋がってできる二重螺旋構造であることが明らかとなった。したがって、物質として遺伝子という場合は「染色体」を、遺伝情報を伝えるものとしていう場合は「DNAによる塩基配列」を指す。遺伝子は、タンパク質のアミノ酸配列を規定する領域と、その…
がん細胞が発現するタンパク質で、免疫細胞などに抗原として認識される可能性のあるもの。がん細胞のがん抗原は、元々は自己の正常な細胞であるため抗原性が低く、抗体や免疫細胞の攻撃対象になりにくい。しかし、一部は遺伝子の変異によって新しく抗原性を得ているものもあり、それを利用することで免疫によってがん細胞を攻撃できる。がん抗原は、がん細胞だけに発現するものに限らない。bcr-ablタンパク質などは広い意味でがん抗原とされる。これまでに同定された「がん抗原」は必ずしも純粋にがん細胞だけ…
遺伝子であるDNAの塩基配列の変化のこと。単に変異とも呼ばれる。DNA複製時の異常や、化学物質、放射線、ウイルス、トランスポゾンの転移などが原因となる。1926年にハーマン・ジョーゼフ・マラー(Hermann Joseph Muller)がショウジョウバエにX線を照射して突然変異を誘発できることを実験的に証明した。体細胞に生じた突然変異(体細胞変異)は子孫には遺伝しないが、生殖細胞に生じた突然変異(生殖細胞変異)は子孫の全細胞に遺伝する。種の進化も突然変異によって起こる。突然…
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