健康用語WEB事典

パイエル板(Peyer's patch : PP)

リンパ節脾臓小腸などの粘膜に存在する二次リンパ器官であり、腸管関連リンパ組織GALT)の構成要素。粘膜上皮を介して体内に入った抗原が集積する。*1*2*3

M細胞を持つ。パイエル板の胚中心にはIgA産生前駆B細胞が多く存在する。*4

粘膜は、食物や食物とともに摂取される外来微生物、40兆個にも及ぶ内常在細菌叢などの異物に常にさらされています。これらの中には病原性を持つものが含まれていることから、腸管には免疫細胞が集まったパイエル板などの腸管免疫組織が発達しています。*5

から入った抗原はパイエル板で取り込まれ、ナイーブB細胞抗原提示される。抗原提示を受けたナイーブB細胞胚中心B細胞を経て抗原に特異的なIgA陽性B細胞へと成熟することで抗原特異的な抗体産生細胞が形成される。*6

絶食によってパイエル板の全てのB細胞集団が細胞死を起こして顕著に減少することが報告されている。

*1Peyer's Patches: http://medcell.med.yale.edu/histology/immune_system_lab/peyers_patch.php
*2技術評論社 桂義元 免疫はがんに何をしているのか? 見えてきた免疫のメカニズム 2016/12/25
*3静岡県立大学薬学部・薬学研究院 免疫微生物学 リンパ球ホーミングの分子機構の解明: http://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/bisei/text/staff/kawashima/kawa-res.html
*4UTokyo Repository: パイエル板樹状細胞の免疫応答特性に関する研究: http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/handle/2261/51147
*5M細胞分化の分子メカニズムを解明 | 理化学研究所: http://www.riken.jp/pr/press/2018/20180116_1/
*6絶食で経口ワクチンの効果が消失する仕組みを発見-腸管免疫の機能維持には食事が必須-:[慶應義塾]: https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2019/8/23/28-59850/

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このページの最終更新日時: 2020-04-15 (水) 08:29:30