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ビタミンB6(vitamin B6)

ビタミンBのひとつ。水溶性のビタミンであり、体内に貯蔵できないため定期的に摂取する必要がある。

化学的にはピリドキシンピリドキサールピリドキサミンとこれらがリン酸化したエステルの6つがビタミンB6とされる。ピリドキサールリン酸活性型ビタミンB6とも呼ばれる。*1*2

に対しては安定であるが、中性および塩基性で不安定であり、光(特に紫外線)によって分解されやすい。*3

食品に含まれるビタミンB6は小腸で吸収されて肝臓に運ばれ、多くは筋肉中のグリコーゲンホスホリラーゼと結合して貯蔵される。*4

タンパク質の成分であるアミノ酸の合成・分解を補助する働きがある。*5

ビタミンB6の食事摂取推奨量*6

ピリドキシンとして換算した場合のビタミンB6の食事摂取推奨量は以下の通り。

年齢(歳)性別ごとの推奨量(mg/日)
男性女性
1~20.50.5
3~50.60.6
6~70.80.7
8~90.90.9
10~111.21.2
12~141.41.3
15~171.51.3
18~291.41.2
30~491.41.2
50~691.41.2
70~1.41.2

ビタミンB6の欠乏症*7

特に皮膚炎口内炎が起きやすい。

またニコチン酸ナイアシン)の合成に必要なため、ビタミンB6の不足がペラグラを引き起こす間接要因になりえる。

重症化すると痙攣発作などが起こる。

ビタミンB6の過剰症*8

ビタミンB6は水溶性であるが過剰症がある。

  • 末梢組織障害
  • シュウ酸腎結石

ビタミンB6を含む食品*9

単一の食品のみでビタミンB6を 1.2mg 摂取する場合に必要な量は以下の通り。

食品名必要量(g)
唐辛子38
にんにく(油炒め)67
小麦胚芽97
バナナ(乾燥)115
バナナ(生)315
マグロ類120
ビーフジャーキー141
鶏胸肉(焼き)182

唐辛子やにんにくに多く含まれるが、これらは通常少量しか摂取しないため、現実的には魚介類や肉類から多く摂取することになる。

*1NST 広報係 耳鼻咽喉科 太田淳 検査部 佐々木麻美 栄養管理室 安藤芙美: http://www.hosp.tohoku.ac.jp/pc/img/tyuuou/nst_B2B6.pdf
*2北海道医療大学薬学部衛生薬学講座(衛生化学) 和田研究室 Vitamin B6 (ビタミンB6): http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~wadakg/keyword/vitaminb6.html
*3西東社 カラー図解 栄養学の基本がわかる事典 川島由起子(2013/4/4): https://amzn.to/2tzGwYt
*4西東社 カラー図解 栄養学の基本がわかる事典 川島由起子(2013/4/4): https://amzn.to/2tzGwYt
*5福岡大学 理学部 化学科 機能生物化学研究室 ビタミン: http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/vitamin.htm
*6日本人の食事摂取基準(2015年版)スライド集: http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056112.html
*7かんき出版 安田和人 あなたに必要なビタミンを教えます(1995/3/22)
*8食事摂取基準とは 橋詰直孝(東邦大学医学部教授): http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/H14Report.II-15.pdf
*9文部科学省 食品データベース: https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html

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このページの最終更新日時: 2019-03-03 (日) 10:41:10