ファイトケミカル(phytochemical) †
植物が紫外線や外敵から身を守り繁殖するために生成する化学物質。「第七の栄養素」とも呼ばれる。ファイト(phyto)はギリシャ語で「植物」という意味。フィトケミカルと誤記されることがある。
食品としてのファイトケミカルの定義は「通常の身体機能維持には必要とされないが、健康によい影響を与えるかもしれない植物由来の化合物」である。*1
抗酸化作用や抗がん作用(アポトーシス誘導活性)などを持つため、サプリメントなどの健康食品にも多く利用されている。
ファイトケミカルは植物の成長には直接的な影響はない二次代謝産物であるが、紫外線に対抗するための抗酸化作用や菌に対する防御作用、虫に対する毒性などがあるとされる。
植物には様々な機能を有する多様な成分が含まれています。これらの成分は、糖やアミノ酸などの一次代謝産物と二次代謝産物に分けられます。二次代謝産物は、外敵からの防御作用や色素としてなど植物自身に様々な機能を有し、しばしば人間の代謝にも影響を与えます。特に、フラボノイドやカロテノイドは健康増進の作用を有しますが、これはこれらの二次代謝産物が有する抗酸化作用や抗炎症作用によるものです。*2
ファイトケミカルは食物繊維などの固い細胞の内部に存在するため、煮汁に多く出る。
ファイトケミカルの種類 †
ファイトケミカルにはフラボノイドやビタミン、植物ステロール、多糖類などが含まれる。*3
ファイトケミカルには,主なものとして,フラボノイド,アルカロイド,テルペノイド,スチルベノイド,クマリン,キサントン,リグノイド,フェニルプロパノイド等が化学構造式に基づいて分類されているが,その機能としては,植物自体が内部や外部の環境から身を守り,適応するための成分として役割を果たしていると考えられている.*4
ポリフェノールやカロテノイドもファイトケミカルの一つである。
- アントシアニン
- アリルイソチオシアネート
- カテキン
- イソフラボン
- クロロゲン酸
- フェルラ酸
- ロズマリン酸
- タンニン
- ゴマリグナン
- スルフォラファン
- β-カロテン
- リコピン
- カプサイシン
- アスタキサンチン
- フコダイン?
- β-グルカン
- ペクチン
- キノコキトサン
*2国立大学法人 千葉大学 国立研究開発法人 理化学研究所 紫外線から植物を守る 有害な紫外線から植物を守る物質と生合成遺伝子を発見: http://www.chiba-u.ac.jp/others/topics/20160823_3.pdf
*3国立遺伝学研究所 生命ネットワーク研究室・有田研究室: https://www.nig.ac.jp/nig/ja/research/organization-top/laboratories/arita
*4ファイトケミカルによるがんの予防: https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/11/5/11_161/_pdf
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