健康用語WEB事典

フィラグリン(filaggrin)

皮膚顆粒層に特異的に発現するタンパク質前駆体プロフィラグリン表皮で生産され、ケラトヒアリン顆粒の主成分となる。*1

フィラグリンは、角質層細胞ケラチン線維を凝集する作用を持ち、これによって角質層細胞顆粒層細胞と異なるコンパクトに扁平化した構造となる。また、角質層の上層で脱リン酸化などによってアミノ酸に分解されることで角層の保湿や紫外線の吸収などの作用を発揮する。*2*3

アトピー性皮膚炎の患者の約20~30%にフィラグリンの遺伝子変異が確認されている。また、アレルギー性鼻炎喘息の発症因子でもある。*4*5

フィラグリンの遺伝子は1番染色体長腕に存在し、その付近にはフィラグリンに似たフィラグリン2の存在が報告されている。フィラグリンの発現リゾホスファチジン酸によって誘導される。*6

*1皮膚顆粒層に特異的に発現する内在性レトロウイルス型アスパラギン酸プロテアーゼSASPaseが角質層水分量の調節を行う事を発見 Medical Research Institute Tokyo Medical and Dental University: http://www.tmd.ac.jp/mri/press/press13/
*2JAIRO | 【バリア機能とアレルギー】 フィラグリンとは: http://jairo.nii.ac.jp/0010/00003320
*3皮膚と角化とメラニンなら新しい皮膚科学|皮膚病全般に関する最新情報を載せた皮膚科必携テキスト: http://www.derm-hokudai.jp/textbook/pdf/1-03.pdf
*4皮膚バリア機能を高めることでアトピー性皮膚炎の症状を改善させる内服化合物を発見 — 京都大学: http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2013/130918_2.htm
*5名古屋大学医学部皮膚科|アトピー性皮膚炎の発症因子・フィラグリン遺伝子変異: https://www.med.nagoya-u.ac.jp/derma/research_atopic.html
*6ヒト表皮細胞の分化と皮膚バリア機能の調節機構を解明 -アトピー性皮膚炎の新たな治療戦略へ向けて- — 京都大学: http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2018/181114_2.html

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このページの最終更新日時: 2018-06-13 (水) 09:34:26