健康用語WEB事典

ヘスペリジン(hesperidin)

フラボノイドに属するポリフェノールのひとつ。アグリコンヘスペレチンビタミンPとも呼ばれる。

ヘスペリジンの化学構造

柑橘類果皮に多く含まれる。漢方における陳皮の有効成分。毛細血管の強化作用や色素沈着改善効果、抗アレルギー作用が確認されている。

ミカン果皮に含まれるヘスペリジンは部分の違いにより、に対するする溶解度が異なる3種類のフラボノイド(ヘスペリジン、ヘスペレチン-7-グルコシド?ヘスペレチン)として存在する。*1

当研究室では未熟果実の粉末やエキスに優れた美白効果および色素沈着改善効果を見出し,特に有効成分のヘスペリジンが豊富に含まれる7月頃の未熟な温州ミカンに最もその効果が強いことを発見した.… 当研究室ではすでに未熟な温州ミカンに抗アレルギー作用を見出しており,本発明は,温州ミカンから有効成分のヘスペリジンを効率よく抽出し,より優れた抗アレルギー効果を引き出すためのエキスの製法特許である.*2

また、ヘスペリジンの抗酸化作用緑内障の原因となる網膜神経節細胞死を防ぐことが報告されている。

本研究は、薬剤によって作成したマウス網膜障害に対して、ヘスペリジンが酸化ストレスを軽減させることで網膜神経節細胞死を防ぐことを初めて明らかにした報告です。近年、緑内障の発症・進行と酸化ストレスの関与が注目されており、血液中の抗酸化力が低い緑内障患者は緑内障が重症化する傾向があると言われています。本研究によって、ヘスペリジンが持つ抗酸化作用緑内障治療の一助となることが期待されます。*3

*1小山工業高等専門学校研究紀要 笹沼いづみ 吉澤翠和乃 柑橘類フラボノイド配糖体による血管内皮細胞増殖の分子機構に関する研究: https://www.jstage.jst.go.jp/article/oyama/48/0/48_97/_pdf
*2近畿大学 薬学部 創薬科学科 薬用資源学研究室 最近の研究成果: http://www.phar.kindai.ac.jp/shigen/citrus%20unshiu-p.pdf
*3ミカンのポリフェノールによる緑内障治療の可能性を示... | プレスリリース | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-: http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2017/08/press20170801-01.html

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このページの最終更新日時: 2019-12-06 (金) 14:17:27