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ヘテロクロマチン(heterochromatin)

コンパクトに収縮されたクロマチン。この状態ではDNAの情報を読み出すことができない。哺乳類のメスが持つ2本のX染色体のうちの1本はヘテロクロマチンとして不活性化され、凝縮してバー小体となる。*1

染色体DNARNAおよびタンパク質により構成される巨大な複合体であるが、染色体の中でも特に高度に凝縮した機能構造はヘテロクロマチンと呼ばれ、染色体維持に深く関わっている。*2

対して、クロマチンが緩まり、遺伝子転写が活発に行われるようになった領域はユークロマチンと呼ばれる。*3

飢餓状態ではリボソーム遺伝子領域にヘテロクロマチンが強く形成され、遺伝子発現スイッチがオフになる機構が存在する。これによってエネルギー源の枯渇を感知してリボソームの合成を一旦停止することができる。*4

タグ: クロマチン DNA 遺伝子 染色体 飢餓 リボソーム

*1技術評論社 武村政春 DNAを操る分子たち エピジェネティクスという不思議な世界(2012/3/15)
*2第2章 エピジェネティクスと遺伝子発現制御機構 ヘテロクロマチン化の分子機構 定家真人 中山潤一: http://www.nsc.nagoya-cu.ac.jp/~jnakayam/_src/sc742/pubj05.pdf
*3ヘテロクロマチンタンパク質の新たな機能の発見: https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2014/20140929-1.html
*4細胞が無駄なエネルギーを消費しないための遺伝子スイッチ停止機構の解明-ブドウ糖飢餓時におけるリボソーム遺伝子の発現抑制機構- | 東京大学: https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z0109_00037.html

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このページの最終更新日時: 2022-03-29 (火) 17:43:39