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ベージュ脂肪細胞(beige fat cell)

白色脂肪細胞から変化したUCP1陽性褐色脂肪細胞に似た脂肪細胞ブライト脂肪細胞とも呼ばれる。

厳密には褐色脂肪細胞とは異なるが、組織学的には小さい脂肪滴が複数存在する多胞性脂肪細胞で、ミトコンドリアが多いため褐色でUCP1を多く発現するなど似ている点が多い。ベージュ脂肪細胞脂肪を活発に燃焼させることが知られている。

ヒトを含む恒温動物は長期間寒冷環境で生活することで皮下白色脂肪細胞ベージュ脂肪細胞に変化させる。また、運動によっても白色脂肪細胞から生まれるとされる。*1*2*3

ベージュ脂肪細胞は,白色脂肪細胞褐色脂肪細胞とも異なる遺伝子発現を示し,新しく見出されたペプチドホルモンイリシン選択的に反応して UCP1 を活性化し白色脂肪細胞の褐色化(browning)によって誘導される.*4

タンパク質脱リン酸化酵素MYPT1-PP1β)がエピゲノムの書き換え酵素転写調節の両方を制御することでベージュ脂肪細胞の誘導を抑制している一方で、寒冷刺激下では活性化された細胞内でタンパク質リン酸化酵素PKA)がMYPT1-PP1βを阻害し、ベージュ脂肪細胞を誘導する。

タグ: 脂肪細胞 ベージュ脂肪細胞 運動

*1ベージュ脂肪細胞(Beige adipocyte)酒井寿郎(東京大学 先端科学技術研究センター・東北大学大学院 医学系研究科): http://www.nips.ac.jp/thermalbio/handbook/2-9v2.pdf
*2脂肪細胞の分化メカニズム|遺伝子制御学研究室|筑波大学: http://www.md.tsukuba.ac.jp/basic-med/biochem/gene/research3.html
*3体細胞の燃焼を制御する酵素の発見 -栄養のとりすぎ... | プレスリリース・研究成果 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-: https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/10/press20221017-01-beige.html
*4脱リン酸化制御による脂肪分解の新たな分子基盤 広島大学大学院 医歯薬保健学研究院 細胞分子薬理学: https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/146/2/146_93/_article/references/-char/ja/

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このページの最終更新日時: 2022-10-22 (土) 17:49:48