健康用語WEB事典

ホスファチジルイノシトール二リン酸(phosphatidylinositol diphosphate : PIP2)

細胞膜中に微量に存在するイノシトールリン脂質ホスファチジルイノシトールビスリン酸とも。

ホスホリパーゼCによって加水分解されて細胞内にイノシトール三リン酸を生じる。イオンチャネルの制御やアクチン線維の再編成の制御に関わる。*1*2*3

細胞の情報伝達において、入力がオンになった後に一過的にオフになり再びオンになる過程に必要であることが報告されている。β-アレスチンに結合し、これを細胞表面のGPCR細胞内に取り込む過程を促進する。*4

PIP2の種類

PI(3,4)P2やPI(4,5)P2は主に形質膜細胞質側に存在する。特にPI(4,5)P2は定常的に存在する主要なホスファチジルイノシトールリン酸であり、様々なタンパク質形質膜局在を制御している。

α-TTPによるα-トコフェロールビタミンE)の輸送を促進することが知られている。*5

タグ: 脂質 イノシトールリン脂質 細胞

*1日本薬理学雑誌 イノシトールリン脂質によるイオンチャネルの制御: http://plaza.umin.ac.jp/JPS1927/fpj/topic/topic121-2-131.htm
*2カルシウムイオンチャネル「IP3レセプター」の開口メカニズムを解明 | 理化学研究所: http://www.riken.jp/pr/press/2011/20110830/
*3匂坂敏朗 ホスファチジルイノシトール4,5二リン酸ホスファターゼがアクチン細胞骨格系を制御する: http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/gazo.cgi?no=114481
*4細胞の情報伝達のオンオフを切り替える脂質分子 ―細... | プレスリリース・研究成果 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-: https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/11/press20221111-03-switch.html
*5ビタミンE特異的輸送タンパク質α-TTPによる体内ビタミンEレベルの制御 河野望 新井洋由: http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2014/11/86-02-14.pdf

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このページの最終更新日時: 2022-11-11 (金) 19:52:38