メチル化(methylation) †
DNAのヌクレオチドのメチル化は、遺伝子発現を抑制する場合の最も基本となる化学修飾。この修飾の異常によって、シトシンやがん抑制遺伝子が突然変異を引き起こし、がん細胞が生じる恐れがある。
ゲノムの遺伝子部分、とくに発現のコントロールにかかわる部分が誤ってメチル化されると、タンパク質がつくられなくなることがある。それが細胞分裂やアポトーシスにかかわる遺伝子だったら、がん化に結びつくことになる。*1
しかし、メチル化を抑制すれば問題が解決するわけではないという報告がされている。
これまで多くの研究によって、DNAメチル化がそれほど起こらないように人工的に操作したマウスでは、高頻度に染色体のトリソミーが生じ、それを原因としてリンパ腫が生じるとか、あるいはDNAメチル化酵素の欠損が染色体異常を引き起こすなどのように、DNAのメチル化の減少が染色体の不安定化をもたらす証拠となるような知見が蓄積されてきている。*2
*1技術評論社 桂義元 免疫はがんに何をしているのか? 見えてきた免疫のメカニズム 2016/12/25
*2技術評論社 武村政春 DNAを操る分子たち エピジェネティクスという不思議な世界(2012/3/15)
*3繰り返す猛暑に植物が適応する仕組みを発見 細胞保護の遺伝子を働かせる機構を発動して維持し、次の 高温に備える 高温耐性の予測と操作による気候変動下の食糧の安定供給に期待|奈良先端科学技術大学院大学: http://www.naist.jp/pressrelease/2021/06/008002.html
*2技術評論社 武村政春 DNAを操る分子たち エピジェネティクスという不思議な世界(2012/3/15)
*3繰り返す猛暑に植物が適応する仕組みを発見 細胞保護の遺伝子を働かせる機構を発動して維持し、次の 高温に備える 高温耐性の予測と操作による気候変動下の食糧の安定供給に期待|奈良先端科学技術大学院大学: http://www.naist.jp/pressrelease/2021/06/008002.html
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このページの最終更新日時: 2021-06-12 (土) 12:06:47