健康用語WEB事典

メラニン(melanin)

皮膚の色を決める色素であり、紫外線などの電磁波から体を保護する役割を持つ。メラニン色素とも呼ばれる。*1

毛髪には、ケラチンの他にも、美容に関連深い物質があります。それが毛髪色を決めているメラニンです。紫外線に長時間照射されるとが黒くなりますが、その時に皮膚で形成されている物質と同じものです。毛髪中のメラニンの割合は3%程度といわれています。この3%のメラニンによって、毛髪の色が決まります。*2

わたしたちのの色の源であるメラニン色素は、有害な紫外線からわたしたちの体を守るために重要な役割を果たしています。しかし、その一方でメラニン色素の肌への過剰な沈着はしみそばかすの原因にもなっています。*3

メラノサイト内のメラノソームに存在する、チロシナーゼなどのメラニン合成酵素によって、アミノ酸チロシンから合成される。合成されたメラニンは隣接する皮膚表皮へと運ばれる。表皮自体はメラニンを作らない。*4

メラニンには以下の二種類が存在する。メラノサイトでどちらのメラニンが合成されるかは、細胞内のcAMPの濃度によって決まる。*5

人種によってもメラニン合成能力に差がある。*6

メラニンは動植物に広く存在する色素であり、光の吸収・散乱、カモフラージュ、熱の散乱など多様な機能を持つことが知られており、脊椎動物では体表に存在することが多い。メラニン色素は黒色~黒褐色のユーメラニンと赤褐色~黄色でアルカリ可溶性のフェオメラニンからなる。中でもユーメラニンは、紫外~可視の波長領域で光をよく吸収し、かつその強度は地表面での太陽光線スペクトルに合わせるごとく波長に対して単調に減少するという光学的特性によって、生体の光保護を担う重要な分子である。*7

*1紫外線が人体に及ぼす影響について: http://www.osaka-ue.ac.jp/zemi/kusanagi/2002book/pdf/b08_sugie.pdf
*2日本で唯一の美容の大学・山野美容芸術短期大学(東京) 毛髪の色(メラニン) : 講師コラム - YCAブログ: http://www.yamano.ac.jp/blog/item-202.html
*3東北大学大学院生命科学研究科 メラニン合成酵素の分解を促す新分子を発見 新分子をターゲットにした新たな美白剤への応用に期待: https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/touhokuuniv-press_20150202_02web.pdf
*4京都大学 メラニン色素が表皮細胞に運ばれる仕組みの解明 〜体表に色がつくメカニズム〜: http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/documents/161202_1/01.pdf
*5岡山大学 生体統御学グループ 生体情報システム研究室 体色調節の基礎知識: http://www.biol.okayama-u.ac.jp/cccrg/cellsignaling/color.html
*6メラニン合成を制御する紫外線防御の新たな機構を解明!! | 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所: http://www.nibiohn.go.jp/information/nibio/2010/12/002524.html
*7第一原理計算からのユーメラニンの構造解析: https://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/34639/2/Shinsa-5059.pdf

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このページの最終更新日時: 2017-12-04 (月) 18:08:00