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ワルファリン(warfarin)

血液凝固因子であるビタミンK拮抗して、血液を固まりにくくして血栓を予防する抗凝固薬の有効成分。脳梗塞などの血栓が原因となる疾患の予防などに処方される。ワーファリンとも表記される。

ワルファリン(ワーファリン)の化学構造

血液凝固作用を示すクマリン骨格をもつジクマロールを基に合成された化合物であり、この研究に携わった研究者の所属機関名の Wisconsin Alumn(i Agriculture)Research Foundation(WARF)とクマリン(coumarin)の語尾を合わせて命名された。*1

血液凝固因子のうち、以下のビタミンK依存性凝固因子の活性化を阻害する。*2*3

服用後、作用が現れるまで2日ほどかかり、効果は2〜5日持続する。効果には人種差および個人差があることが知られている。

ビタミンKの存在下ではプロテインCおよびプロテインSの働きを抑制する。これによって血液凝固が促進されるため、ワルファリンとビタミンKを一緒に摂取するべきではないとされる。*4

また、胎児骨形成に関わるグルタミン酸含有タンパク質の合成を阻害するため、妊婦への投与は禁忌である。

ワルファリンはラセミ体として使用されるが、活性の本体はS体であり、これはCYP2C9によってヒドロキシ化を受けることで活性を失う。*5

*1血栓症治療薬の進歩 新しい経口抗凝固薬を中心に 鈴鹿医療科学大学 薬学部 薬学科 鈴木宏治: https://www.suzuka-u.ac.jp/wp-content/uploads/2018/01/12-01-suzuki.pdf
*2ビタミンKエポキシド還元酵素の遺伝子型に基づいた抗凝固薬ワルファリンのオーダーメイド投薬 莚田泰誠: https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/82/3/82_KJ00004895444/_article/-char/ja/
*3技術評論社 奈良信雄 知りたいサイエンス とっても気になる血液の科学(2010/1/5)
*4新潟大学 副作用の少ない新規脳梗塞予防薬の作用メカニズムが明らかに: https://www.niigata-u.ac.jp/wp-content/uploads/2018/01/300109_re.pdf
*5ビタミンKエポキシド還元酵素の遺伝子型に基づいた抗凝固薬ワルファリンのオーダーメイド投薬 莚田泰誠: https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/82/3/82_KJ00004895444/_article/-char/ja/

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このページの最終更新日時: 2019-10-25 (金) 11:53:43