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一卵性双生児(identical twins, monozygotic twins : MZ)

一つの受精卵細胞分裂の初期期に二個体に分かれ、二体の胎児となった双生児双子)。

発生率は0.4%程度。発生の要因は詳しくわかっていないが、人種性、家族性、外的要因などは関わらないとされる。*1

受精卵受精した直後)には、分化全能性といって、個体発生に必要なすべての能力が備わっています。数回の細胞分裂では、分化全能性が維持されています。このとき、何かの拍子で、各々の細胞が独立して、もう一度細胞分裂を始めたのが、一卵性多胎ということです。*2

全く同じ遺伝子を持ち、遺伝学的に同一(クローン)であるが、成育環境によってエピゲノムは異なっていくことが確認されている。実際に、同じ遺伝子変異をもつ一卵性双生児が、臨床的に全く異なった症状や経過を示すことが報告された。*3

MZにおけるDNAメチル化ヒストンアセチル化の違いについて研究したスペイン国立がん研究所の研究グループの2005年の論文では、3歳の時点ですでに、MZ間でDNAメチル化のパターンにわずかな相違が認められることが報告されている。*4

*1多胎妊娠の診断と管理 熊本大学大学院生命科学研究部 産科婦人科学 大場隆: http://jsog.umin.ac.jp/68/handout/2_1Dr.Ohba.pdf
*2PHP研究所 竹内薫 丸山篤史 白くて眠れなくなる遺伝子(2016/1/5)
*3細胞医学分野 - 熊本大学発生医学研究所: http://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/bunya_top/medical_cell_biology/
*4技術評論社 武村政春 DNAを操る分子たち エピジェネティクスという不思議な世界(2012/3/15)

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このページの最終更新日時: 2017-12-04 (月) 18:08:21