健康用語WEB事典

分子シャペロン(molecular chaperone)

アミノ酸配列がタンパク質の立体構造を作る働き(フォールディング)の助けをするタンパク質。シャペロンは介添人の意味。

「シャペロン」とはフランス語で若い女性が社交界デビューする際、付き添う介添人の意味があり、成熟するのを助ける。*1

熱ショックタンパク質HSP)は主要な分子シャペロンとして知られている。シャペロニンと呼ばれるグループがATPを使って多くのタンパク質フォールディングを補助する。*2

分子シャペロンの基本的な作用は、フォールディング中の不安定な状態や熱で変性したタンパク質が凝集しないようにすることである。あくまで補助するだけであって、自らは完成したタンパク質中には含まれない。*3

Ellisが発表した分子シャペロンの定義は,①基質となるポリペプチド鎖のフォールディングオリゴマー構造への会合が正しく進むように介添えする,②基質の最終構造の一部にも成らないし,基質の立体構造も指定しない,であった.... これら分子シャペロンの概念は,Ellisの提唱から約30年が経過した今日まで,ほとんど変わらずに受け継がれている.*4

*1共同発表:細胞内の不良品たんぱく質の分解メカニズムを解明~アルツハイマー病など神経変性疾患の成因の一端の解明が可能に~: http://www.jst.go.jp/pr/announce/20170505/index.html
*2一般社団法人 日本生物物理学会 分子シャペロン: http://www.biophys.jp/highschool/A-09.html
*3タンパク質フォールディングの「理想」と「現実」:凝集形成とシャペロンの役割: https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2015.870194/data/
*4分子シャペロン ~誕生の歴史と概念~ 町田幸大: https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9304/9304_yomoyama.pdf

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このページの最終更新日時: 2017-12-04 (月) 18:08:50