健康用語WEB事典

好中球細胞外トラップ(neutrophil extracellular traps : NETs)

好中球が特定の刺激に反応して細胞外へ放出する、細胞核内のクロマチンから成る網目状構造物。細菌真菌寄生虫等の外来微生物を補捉する生体防御メカニズムの一つ。*1

強い殺作用を持ち、感染防御機構として重要な働きを持つと考えられている。*2

好中球細胞外トラップを放出した好中球は自滅する。この細胞死ネトーシスNETosis)と呼ぶ。

好中球が放出する細胞DNANETsと呼び,NETsを形成するような好中球細胞死NETosisと呼んでいる。

血清中のDNaseⅠによって分解される。*3

好中球細胞外トラップに関わる疾患

好中球細胞外トラップが過剰に産生されたり、DNaseⅠの阻害などによってうまく分解されないなどの制御不全がおこると以下のような疾患を起こすことが確認されている。

*1東京大学学術機関リポジトリ- 炎症性疾患における好中球細胞外トラップ(NETs)抑制物質としてのラクトフェリンの機能解析: http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/58147/1/A30547_summary.pdf
*2慶應義塾大学医学部 生体内多機能物質ラクトフェリンによる新たな炎症制御メカニズムを解明-ステロイドや免疫抑制薬に代わる副作用の少ない炎症性疾患治療薬の開発へ-: https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2016/8/1/20160801_1.pdf
*3好中球細胞外トラップの異常と MPO-ANCA 関連血管炎: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpn/27/2/27_81/_pdf

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このページの最終更新日時: 2017-12-04 (月) 18:09:20