健康用語WEB事典

小胞体ストレス(endoplasmic reticulum stress)

小胞体に異常を起こす原因となるストレスのこと。タンパク質の折り畳み(フォールディング)の際に発生する場合がある。

これに対する防衛反応を小胞体ストレス応答と呼ぶ。

タンパク質mRNA から翻訳されアミノ酸のつながったものとして合成される。その後、細胞内の小胞体と呼ばれる場所で折り畳まれ、個々のタンパク特有の立体構造ができあがる。折り畳みがうまくいかなかったタンパク小胞体でたまるようになると、小胞体に悪影響(ストレス)がかかることを小胞体ストレスと呼ぶ。小胞体ストレスが加わると細胞は直ちにストレスから回避するための防御システム(小胞体ストレス応答)を活性化させる。*1

小胞体ストレスとは、異常なタンパク質が、その合成の場である細胞内小器官小胞体)の内部に蓄積してしまう状態のことで、単細胞生物から高等ほ乳動物まで存在する現象です。多くの生物種において、進化的に小胞体ストレスへの応答機構が発達していますが、一方で、強度の小胞体ストレスは、それら応答機構を破綻させ、最終的には細胞死を誘導することが分かっています。

小胞体虚血酸化ストレス感染などを受けることで異常なタンパク質の生成が起こる。

虚血酸化ストレス感染などの様々な異常環境に曝されると、小胞体の働きに破綻を来たし、不完全なタンパク質小胞体に大量に生み出されます(小胞体ストレス)。細胞はこの様な異常事態を感知する小胞体ストレスセンサーを有しており、異常タンパク質の修復や分解を行うシステムを積極的に駆動させて細胞傷害から身を守ります(小胞体ストレス応答)。*2

*1動脈硬化の新たな分子機序を解明 心筋梗塞・脳梗塞などの予防・治療に応用性: https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20110729_3.pdf
*2一酸化窒素(NO)が大腸癌の発生原因であると解明 - 国立大学法人 岡山大学: http://home.hiroshima-u.ac.jp/imaizumi/kenkyu-top.html

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このページの最終更新日時: 2017-12-04 (月) 18:09:24