健康用語WEB事典

形質細胞様樹状細胞(plasmacytoid dendritic cell : pDC)

樹状細胞のひとつ。プラズマサイトイド樹状細胞とも。ヒトの末梢血の単核細胞ウイルスで刺激することで大量のⅠ型IFNを誘導する特殊な細胞集団として発見され、当初はIPCと呼ばれた。*1

ヒトにおいてはToll様受容体TLR7TLR8TLR9)をエンドソーム膜に高発現し、これを介してMyD88依存的に大量のⅠ型インターフェロン(特にIFN-α)を産生する特性を持ち、ウイルス感染に対する防御に関わる。形質細胞様樹状細胞は通常の樹状細胞古典的樹状細胞)よりもⅠ型インターフェロンの生産力が高いが、抗原提示能力は劣る。*2*3

骨髄細胞からFLT3Lによって誘導される。細胞内のToll様受容体の刺激によってIFN-αを大量に産生するが、オートクリン的にIFN-αが作用する必要があることが報告されている。*4

未刺激時からIRF7発現しており、リガンドの刺激によってIRF7MyD88IRAK1IRAK4TRAF6と複合体を形成して活性化される。

また、ビペリンは形質細胞様樹状細胞においてTLR7およびTLR9の刺激よってIRF7依存的に強く発現誘導され、脂肪滴上に局在する。*5

*1自然免疫におけるウイルス感染認識機構 植松智 審良静男 大阪大学微生物病研究所自然免疫学: http://jsv.umin.jp/journal/v56-1pdf/virus56-1_001-008.pdf
*2大阪大学免疫学フロンティア研究センター 形質細胞様樹状細胞の機能と分化に関する重要な発見: http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/research/upload_img/%E6%94%B9%E6%AD%A3_Blood%20%E8%A7%A3%E8%AA%AC.pdf
*3樹状細胞サブセットと機能 宮崎大学医学部医学科感染症学講座免疫学分野 佐藤克明: https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/65/1/65_11/_pdf
*4免疫系受容体分子を介した疾患制御のしくみ 研究成果 アレルギー疾患・自己免疫疾患などの発症機構と治療技術: https://www.jst.go.jp/crest/immunesystem/result/06.html
*5Akira Lab. : 大阪大学 微生物病研究所 / 免疫学フロンティア研究センター 自然免疫学分野: http://hostdefense.ifrec.osaka-u.ac.jp/ja/topics/2011/03/20110325immunity.html

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このページの最終更新日時: 2019-12-09 (月) 14:50:35