神経障害性疼痛(neuropathic pain) †
神経が傷付くことで起こる非常に長引く痛み。神経因性疼痛とも。
通常、触覚を伝える神経回路と痛覚を伝える神経回路は異なるが、末梢神経が障害を受けることで神経回路の編成が起こり、触れただけで痛みを感じる痛覚関連神経回路が形成されてしまっている状態とされる。*1
原因はがんや糖尿病、帯状疱疹、脳梗塞、脳卒中などにより神経系が障害を受けること。慢性的な痛みを引き起こす上に難治性とされる。非ステロイド性抗炎症薬やオピオイド鎮痛薬などの解熱鎮痛薬は無効で、それよりも強力なモルヒネでも鎮痛しないことがある。*2
皮膚に軽く触れるような刺激でも痛みが現れる症状(アロディニア)が起こる。痛み以外にもパレステジアやジセステジアなどの感覚の異常が現れる。*3*4
痛みの発生にアデノシン三リン酸や血小板活性化因子が関わることが報告されている。*5
ミクログリアがIGF-1を作り出し、それが神経障害性疼痛を和らげることが報告されている。*6
一次体性感覚野アストロサイトの活動を人為的に操作する治療法が有効であることが示唆されている。疼痛入力を抑制した状態でアストロサイトを活性化させると、疼痛関連神経スパインが除去され、痛覚過敏を起こさない神経回路への組み換えが起こるとされる。
*1体の「痛い」を脳から治す | 研究成果 | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY): https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/783
*2痛みのシグナルを強めるタンパク質を発見 — リソウ: http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2016/20161118_1
*3触っただけで痛みがでるのはなぜ? | 研究成果 | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY): https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/549/
*4東京農工大学学術機関リポジトリ N型カルシウムチャネル阻害を作用機序とする神経障害性疼痛治療薬の合成研究: https://tuat.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1357&item_no=1&page_id=13&block_id=39
*5血小板活性化因子(PAF)生合成遮断による未解決な神経因性疼痛の緩和 次世代鎮痛薬開発のターゲット候補|国立がん研究センター: https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2017/0328/index.html
*6慢性疼痛からの自然回復に必要な細胞を世界で初めて発見!~ミクログリア細胞の驚くべき変化~ - 国立大学法人 岡山大学: https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id949.html
*2痛みのシグナルを強めるタンパク質を発見 — リソウ: http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2016/20161118_1
*3触っただけで痛みがでるのはなぜ? | 研究成果 | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY): https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/549/
*4東京農工大学学術機関リポジトリ N型カルシウムチャネル阻害を作用機序とする神経障害性疼痛治療薬の合成研究: https://tuat.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1357&item_no=1&page_id=13&block_id=39
*5血小板活性化因子(PAF)生合成遮断による未解決な神経因性疼痛の緩和 次世代鎮痛薬開発のターゲット候補|国立がん研究センター: https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2017/0328/index.html
*6慢性疼痛からの自然回復に必要な細胞を世界で初めて発見!~ミクログリア細胞の驚くべき変化~ - 国立大学法人 岡山大学: https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id949.html
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このページの最終更新日時: 2022-07-21 (木) 08:07:27