健康用語WEB事典

紫外線(ultraviolet)

太陽から放射される電磁波のひとつ。太陽光に含まれる紫外線波長は 200〜400nm で、波長によって以下のように分類される。

紫外線は太陽光の全エネルギーの6%を占める。紫外線のうち92%がUVA、8%がUVB紫外線のうち波長が290nm未満のものは(UVC)はオゾン層によって遮断され、ほとんど地表には届かない。*1*2

波長の短い紫外線ほど細胞を破壊する力が強い。つまり、UVAよりもUVCの方が体に及ぼす悪影響が大きいと言える。紫外線は、特に皮膚がんの最も多い原因と考えられている。

300nm前後の紫外線ドルノ線)を浴びると体内でビタミンDが生成されるが、幼少期に浴びた紫外線による損傷は蓄積するため副作用も大きい。

UVCを照射した場合には非常に多くの細胞がはがれている(細胞が死んでしまったためです)のがわかります。これは、夏に急激な日焼けをした場合、がむけるのと同じ現象です。波長が短くなるほど、私達の皮膚にもたらす影響が大きいわけです。もしオゾン層が完全に破壊されてUVC領域紫外線が地上に到達したら、生命体が存在できなくなることが容易に想像できます。... 紫外線は体内でビタミンDを作り出す効果がありますので、昔は『クル病』防止のために浴びた方がいいと考えられていましたが、現在では浴びないほうがいい、特に子供の紫外線対策は重要であると考えられるようになっています。*3

300nm前後の波長は動物の体内に必要なビタミンDの生成に関与しており、「健康線」もしくは「ドルノ線」と呼ばれている。しかし、皮膚に非常に有害で、日焼け皮膚の原因となる。*4

また、紫外線によって水晶体アスパラギン酸が変化して、白内障が起こる可能性が示唆されている。*5

222nm紫外線は、皮膚への悪影響(紅斑)を及ぼさずに常在菌を殺可能であることが報告されている。*6

*1近赤外・紫外光が植物の生育に与える影響(II): http://repo.flib.u-fukui.ac.jp/dspace/bitstream/10098/7447/1/JJ_010_2005_057_062.pdf
*2日焼け止めの科学 浅野新: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsssj1980/15/7/15_7_473/_article/-char/ja/
*3静岡県立大学・大学院食品栄養環境科学研究院 紫外線: http://sweb.u-shizuoka-ken.ac.jp/~photobio/hikari_ultraviolet.html
*4九州工業大学 総合システム工学科 趙研究室 九州工業大学 電気電子工学科 豊田研究室 ~ 国内唯一の衛星帯電・放電試験設備を持つ研究室 劣化のメカニズム: http://laplace.ele.kyutech.ac.jp/graduate_thesis/2005/kumagai/kuma2.pdf
*5京都大学原子炉実験所藤井研究室: http://hlweb.rri.kyoto-u.ac.jp/fl/naiyo.html
*6222nm紫外線の人体皮膚への安全性と殺菌効果の両立を立証 ― これまでにない、新たな感染症予防・治療法開発へ ― | Research at Kobe: https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/collaborations/2020_08_13_01.html

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このページの最終更新日時: 2020-11-10 (火) 19:05:51