健康用語WEB事典

細胞外小胞(extracellular vesicles)

細胞表面で突起した生体膜がちぎれて生み出される脂質膜の微粒子。生体情報の伝達を担い、老化がんなどの疾患に伴い量が変動する。*1

細胞外小胞の表面上に発現する接着因子インテグリンの種類が、細胞外小胞組織分布を規定するとされる。血液中には1mLあたり1012個程度の細胞外小胞が存在する。*2

リンパ腫では細胞外小胞を介した腫瘍腫瘍微小環境での相互作用により腫瘍形成が促進される。*3

悪性リンパ腫組織中の腫瘍随伴マクロファージTAM)から分泌される細胞外小胞リン脂質分解酵素sPLA2により分解され、その分解産物である脂質腫瘍形成を促進することが確認されている。

タグ: 細胞 脂質 がん 小胞 インテグリン

*1共同発表:細胞間の情報伝達に関わる細胞外微粒子の新たな形成機構を解明~細胞膜の突起の切断により生成、細胞の移動を速める~: https://www.jst.go.jp/pr/announce/20210323-2/index.html
*2東京大学医学部附属病院 消化器内科 がんになるとなぜ痩せるのか 膵がん由来の細胞外小胞が脂肪分解を引き起こすメカニズムを解明: https://www.jst.go.jp/pr/announce/20221031/pdf/20221031.pdf
*3共同発表:リンパ腫における細胞外小胞を介した新規発がんメカニズムを発見~脂質を軸とした新たな治療法の開発に期待~: https://www.jst.go.jp/pr/announce/20220316/index.html

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このページの最終更新日時: 2022-11-01 (火) 10:18:35