健康用語WEB事典

線溶(fibrinolysis)

血管修復後に血管の傷を塞いでいた血栓を溶かすこと。線溶におけるフィブリンのことを指す。線維素溶解の略。*1

線溶反応とは、血液凝固反応により生成したフィブリンを分解する反応のことです。具体的にはプラスミノーゲンアクチベーター(PA)というセリンプロテアーゼによりプラスミノーゲンプラスミンに限定分解されることにより活性化され、そのプラスミンフィブリンを分解する反応です。*2

生体内に形成されたプラスミン肝臓で生成されたα2プラスミンインヒビター?α2PI?)と1対1で結合して複合体(PIC)となり、線溶を制御する。*3

この一連の反応を線溶系血液線維素溶解系)と呼ぶ。線溶系血液凝固系の亢進による血栓形成を抑制する役割を担う。*4

線溶の種類

*1技術評論社 奈良信雄 知りたいサイエンス とっても気になる血液の科学(2010/1/5)
*2国立大学法人 浜松医科大学 研究テーマ: http://www2.hama-med.ac.jp/w1a/phys2/%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%9E.html
*3II.各論 実地医家に必要な新しい検査と重要な検査項目 5.血液疾患 2)凝固・線溶系 山﨑雅英 朝倉英策 尾崎由基男: https://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=13848&item_no=1&page_id=13&block_id=21
*4順天堂大学 炎症性腸疾患の新たな病態機序を解明 ~線溶系因子プラスミンを標的とした新しい分子療法の可能性~: https://www.juntendo.ac.jp/graduate/pdf/news17.pdf

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このページの最終更新日時: 2019-05-09 (木) 08:11:00