健康用語WEB事典

脂質ラフト(lipid raft)

細胞膜上に存在する、コレステロールコレステロールに親和性の高いスフィンゴ脂質から構成されるドメイン脂質マイクロドメインとも。*1*2*3

GPIアンカー型タンパク質アシル化されたタンパク質などを集積させ、細胞のシグナル伝達を効率化する役割を持つとされる。*4

神経細胞に多く、その脂質ラフトにはGPM6aが局在することが確認されている。

脂質ラフト(ラフト)は、主に糖脂質コレステロールから構成される細胞膜上の微小膜領域で、シグナル分子が集積するシグナル伝達の場として大事な役割を持ちます。… GPM6a細胞表面上のトランスデューサー?として、細胞外のラミニンシグナルに応じて、ラフトを介して神経極性決定のシグナル伝達を制御し、非常にスピーディーな神経極性決定を誘導しました。*5

BDNFが、その受容体であるトラックBTrkB)に結合するためにこの脂質ラフトを介していることが確認されている。また、脂質ラフトにおけるプラスマローゲンの減少が、γ-セクレターゼβ-セクレターゼなどのアルツハイマー病の原因となるアミロイドβ形成に関わる酵素を活性化することが報告されている。

脂質ラフトとプラスマローゲンの関係

出典: ブックマン社 藤野武彦 馬渡志郎 片渕俊彦 認知症はもう不治の病ではない! 脳内プラズマローゲンが神経細胞を申請する(2015/10/10)

*1スフィンゴ脂質代謝酵素 | 大阪医科大学 生化学教室: https://www.osaka-med.ac.jp/deps/med/staff/ikushiro/
*2細胞膜シグナル伝達のためのラフト構造を解明 -アルツハイマー病発症、HIV感染などの研究に貢献- — 京都大学: http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120723_1_1.htm
*3星薬科大学学術情報リポジトリ P-セレクチンとそのリガンド分子による血液細胞間の相互作用: https://stella.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=124&item_no=1&page_id=13&block_id=21
*4脂質ラフトを見る 石塚玲子 小林俊秀:http://lifesciencedb.jp/dbsearch/Literature/get_pne_cgpdf.php?year=2004&number=4910&file=8sXoBbOKJPLUSPLUSbRCeSGTpnqA==
*5神経細胞での脂質ラフトを介した新たなシグナル伝達制御を発見しました | 研究成果 | ニュース - 新潟大学: http://www.niigata-u.ac.jp/news/2017/29483/

ご意見・ご要望をお聞かせください。


脂質ラフトに関する情報を検索
[学術機関を検索] [政府機関を検索]



添付ファイル: filelipid_raft.jpg 閲覧数 747回 [詳細]

この用語を編集/画像添付
このページの最終更新日時: 2017-12-04 (月) 18:11:03