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D-アミノ酸オキシダーゼ(D-amino acid oxidase : DAO)

D-アミノ酸酸化的脱アミノ反応触媒するオキシダーゼペルオキシソームに局在し、活性はフラビンアデニンジヌクレオチドFAD)に依存する。*1

D-アミノ酸酸化してα-イミノ酸を産生すると同時に副産物として活性酸素を発生させる。

小脳脳幹脊髄に豊富で、運動神経へのD-セリンの蓄積を防ぐ働きを持つ。この酵素の活性低下は筋萎縮性側索硬化症ALS)の原因となる。

通常 DAOD-セリンを低く保つことで脊髄運動神経の過剰興奮を防ぐ役割を果たし、ALS では DAO酵素活性の低下がD-セリン蓄積を促し、運動神経変性へと導くのではないかと考えられます。*2

がん細胞を低濃度の抗がん剤で処理しDNA二本鎖切断を引き起こすことによって細胞老化を誘導すると、p53依存的にD-アミノ酸オキシダーゼの発現が特異的に上昇することから、細胞老化制御において重要な役割を果たしていると考えられている。

*1キラルアミノ酸代謝酵素の新たな機能を解明 ―老化の原因となる活性酸素種発生機構― | Research at Kobe: http://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2019_01_22_01.html
*2慶應義塾大学医学部 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新たな運動神経変性メカニズムを解明- D-セリンを標的にした新規治療法開発に期待-: http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/aiso/images/sasabe.img/111227pressrelease.pdf

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このページの最終更新日時: 2019-03-08 (金) 07:12:02