GPIアンカー(GPI anchor) †
タンパク質に結合して、それを生体膜上に固定する役割などを持つ糖脂質のGPI(グリコシルホスファチジルイノシトール)のこと。
GPIアンカーの基本骨格はイノシトールリン脂質(フォスファチジルイノシトール)、グルコサミン、3つのマンノース、3つのエタノールアミンリン酸?。*1
生物種によって細かい構造の違いはあるものの、様々な真核生物が持つことが確認されている。
膜タンパク質の中には,脂質による修飾を受け,その疎水性部分を錨(アンカー)として生体膜と結合するタンパク質が存在する.グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)はオリゴ糖鎖とイノシトールリン脂質からなる糖脂質であり,GPI付加シグナルを有するタンパク質のC末端に共有結合で付加される.*2
GPI(glycosylphosphatidylinositol)アンカーは真核細胞で進化的に保存された構造を持つ糖脂質であり,翻訳後修飾としてタンパク質に結合し,タンパク質を細胞膜にアンカーする役割を持つ.GPIアンカーは小胞体で約10ステップを経てホスファチジルイノシトール(PI)に N-アセチルグルコサミン(後でグルコサミンに変化する),脂肪酸(主にパルミチン酸),三つのマンノース,三つのエタノールアミンリン酸?が順次結合し,小胞体内腔側で完成型のGPIアンカーとなる.*3
*1大阪大学 微生物病研究所免疫不全疾患研究分野 GPI生合成: http://www.biken.osaka-u.ac.jp/biken/men-eki-huzen/pages/gpisynthesis.html
*2GPIアンカー型タンパク質の生合成・リモデリング機構 藤田盛久: http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2014/06/85-11-04.pdf
*3大阪大学微生物病研究所免疫不全疾患研究分野 前田裕輔 構造変化を介した GPI アンカーによるタンパク質の細胞内輸送・局在制御: http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2013/05/83-02-10.pdf
*2GPIアンカー型タンパク質の生合成・リモデリング機構 藤田盛久: http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2014/06/85-11-04.pdf
*3大阪大学微生物病研究所免疫不全疾患研究分野 前田裕輔 構造変化を介した GPI アンカーによるタンパク質の細胞内輸送・局在制御: http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2013/05/83-02-10.pdf
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このページの最終更新日時: 2017-12-04 (月) 18:04:15