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L-ドーパ(L-DOPA)

ドーパミンなどのモノアミン前駆体アミノ酸チロシンから生成される。レボドパL-ドパとも呼ばれる。*1*2

フェニルアラニンの3位と4位にヒドロキシ基が結合した構造を持つため、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンとも呼ばれる。

L-ドーパ(レボドパ)の化学構造

芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼの働きによって神経伝達物質ドーパミン代謝される。*3*4

L-ドーパ自体も神経終末から神経伝達物質として放出され、OA1GPR143)のリガンドとして作用することが報告されている。*5

パーキンソン病の治療物質として頻用されるが、ジスキネジアうつ病起立性低血圧など副作用がある。*6

1960年エーリンガーとホーニキーヴッツはパーキンソン病の患者さんでは大脳基底核の中の「線条体」という場所のドーパミンの量が非常に少ないことを確認し、1961年にはビルクマイヤーとホーニキーヴッツはドーパミン前駆体であるL-ドーパを患者さんに静注して、注射後数分以内に動くことのできなかった患者さんが立ち上がって歩きだしたことを報告しています。*7

*1行動・学習・疾患の神経基盤とドパミンの役割: https://www.waseda.jp/wias/eng/achievement/bulletin/data/y_edagawa_2009.pdf
*2技術評論社 石浦章一 タンパク質はすごい! 心と体の健康を作るタンパク質の秘密(2014/1/5)
*3名城大学薬学部 薬品作用学研究室 モノアミン系神経伝達物質: http://www-yaku.meijo-u.ac.jp/Research/Laboratory/chem_pharm/09jugyou/4.%20serotoninmonoamin.pdf
*4地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所 DDC; DOPA DECARBOXYLASE: http://www.tmig.or.jp/J_TMIG/genome300/DDC.html
*5ドーパ受容体欠損マウスにおける心血管応答解析 横浜市立大学 大学院医学研究科 分子薬理神経生物学 五嶋良郎: https://ueharazaidan.yoshida-p.net/houkokushu/Vol.29/pdf/068_report.pdf
*6延髄・孤束核における L-DOPA 受容体(OA1)を介したシナプス伝達調節機構の解明 研究代表者:大井義明(医療生命薬学研究ユニット): http://www.slib.aichi-gakuin.ac.jp/gakukaisi/pdf/y9_27.pdf
*7脳内物質ドーパミンのはたらき: http://www.tmig.or.jp/J_TMIG/kouenkai/koza/67koza_2.html

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このページの最終更新日時: 2018-08-27 (月) 08:20:35