健康用語WEB事典

M2マクロファージ(M2 macrophage)

スフィンゴシン-1-リン酸STAT3などの作用によって分化したマクロファージ。抗炎症作用や抗動脈硬化作用を持つとされる。*1*2

アレルギー物質によって誘導される誘導型M2マクロファージと末梢組織に元々存在している組織常在型M2マクロファージがあり、後者の細胞分化TRIB1?が司る。*3

M2マクロファージではCD163CD204発現が増強する。M1マクロファージに比べてIL-10TGF-βプロスタグランジンE2などの産生や制御性T細胞浸潤の促進による抗腫瘍免疫の抑制、新生血管の誘導など、がん細胞の増殖に有利に働くとされる。*4

VEGFIL-8bFGFHGFEGFPDGFなどの血管新生および細胞増殖に関わる因子を産生することも知られている。

*1群馬大学 生体調節研究所 スフィンゴシン1—リン酸(S1P)による抗炎症性でかつ抗動脈硬化症性のM2マクロファージへ誘導作用: http://www.imcr.gunma-u.ac.jp/?research_result=%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%82%B7%E3%83%B31-%E3%83%AA%E3%83%B3%E9%85%B8%EF%BC%88s1p%EF%BC%89%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E6%8A%97%E7%82%8E%E7%97%87%E6%80%A7%E3%81%A7
*2CiNii 博士論文 - GLP-1のマクロファージ活性化に対する作用の解析: http://ci.nii.ac.jp/naid/500000962059/
*3組織常在マクロファージはメタボをメンテナンスしていた!―マクロファージ概念 攻撃型からメンテナンス型へのパラダイムシフト― — 大阪大学: http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/ResearchRelease/2013/03/20130321_1
*4腫瘍微小環境におけるマクロファージの役割 病理学から見たがん治療へのアプローチ 熊本大学大学院 生命科学研究部 細胞病理学分野 竹屋元裕: http://pathology.or.jp/ippan/pdf/takeya30.pdf

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このページの最終更新日時: 2019-10-03 (木) 11:12:57