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エナンチオマーの一方を指す。Rはラテン語で「右」を意味する「rectus」が由来。*1
関連する用語
立体異性体のひとつ。互いに鏡写しの関係にあり重ね合せることができない一対の分子の一方のこと。鏡像異性体や光学異性体とも呼ばれる。元素構成が同じで元素結合の組み合わせも同じだが、その空間的な配置が異なる。実像とそれ自身の鏡像とが重ね合わせられない化学構造のことを「キラルである」または「キラリティーを持つ」と言う。L体とD体(R体とS体、とも呼ばれる)は互いにエナンチオマーであり、例えばグルコースにはL-グルコースとD-グルコースが存在する。L体とD体の混合物はラセミ体と呼ばれる…
最初に開発された二型糖尿病の治療薬。エナンチオマーのうちR体のみに効果がある。商品名はジャヌビアやスージャヌ。シタグリプチンはDPP-4を阻害してインクレチン(GLP-1およびGIP)のDPP-4による分解を抑制し、活性型インクレチン濃度を上昇させることにより、血糖値依存的にインスリン分泌促進作用並びにグルカゴン濃度低下作用を増強する。
ジオチランを含むヘテロ環式化合物。6位に不斉炭素を有するキラル分子であり、天然に存在するα-リポ酸はR体。2つの硫黄(チオ)を含むオクタン酸の誘導体であることからチオクト酸とも呼ばれる。体内でジヒドロリポ酸に還元される。分子内に2個の硫黄原子を含む脂肪酸(オクタン酸)の誘導体であり、ミトコンドリアに局在する4つの酵素複合体に必須な補酵素であることが知られています。それらの酵素複合体は、ピルビン酸脱水素酵素複合体、2-オキソグルタル酸脱水素酵素複合体、グリシン脱炭酸酵素複合体、…
メバロン酸経路(テルペノイド、ステロイドの合成経路)における中間代謝産物。不斉炭素を持ち、2種類の異性体が存在するが天然に存在するのはR体。火落ち(火落菌が繁殖して清酒が白濁し、酒質が下がる現象)の原因物質(火落酸)として発見された。皮膚に塗布することで、水分蒸散の抑制や皮膚のHMG-CoAレダクターゼ活性によるコレステロール合成能の活性化、遊離脂肪酸の増加やPPARの活性化による表皮の脂質代謝促進、ラメラ顆粒の形成促進などの作用を発揮すること報告されている。また、ビフィズス…
互いにエナンチオマーである2つの化合物(D体とL体、R体とS体)が同じ量含まれる混合物のこと。エナンチオマーのひとつの半数が変換されてラセミ体となることをラセミ化と呼ぶ。医薬品では、R体とS体で異なる作用が現れる場合があり問題となるため、不斉合成によって、一方のエナンチオマーのみを合成する必要がある。サリドマイドは催眠鎮静薬として開発され、ラセミ体として販売されていました。薬害が問題となった後に、一方の鏡像異性体は望みの効果(鎮静作用)を示しますが、もう一方の鏡像異性体が非常…
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