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Rhoキナーゼの酵素活性を阻害する医薬品。
世界で初めて承認されたRhoキナーゼ阻害薬はファスジル。*1
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生体内における酵素とは、化学変化において触媒の働きをするタンパク質を指す。生体触媒とも呼ばれる。触媒はそれ自身は変化せず、他の物質の化学反応を促進する。具体的には、化学反応に必要なエネルギー(活性化エネルギー)を下げて、反応の速さを数百万~数億倍にする。食品の発酵も酵素の働きによるものであり、酵母(ギリシャ語では zyme)の中(ギリシャ語では en)で発酵が起きることから酵素(enzyme)と名付けられた。酵素の中には、他の酵素と結合して複合体として働くものもある。例えばク…
Rhoキナーゼ阻害薬のひとつ。脳血管攣縮(くも膜下出血術後)の治療薬。肺高血圧症のマウスおよびヒトにファスジルを投与すると、肺動脈の様々な異常を改善し生存率を高めることが報告されている。
Gタンパク質を基質とするセリン・スレオニンキナーゼのひとつ。生体内に広く発現し、平滑筋細胞(血管平滑筋)の収縮および弛緩、アクチン骨格の再構成や細胞接着、遊走、増殖、遺伝子発現など、多くの細胞の機能に関与する。この酵素の活性亢進が様々な疾患に関わるため、Rhoキナーゼ阻害薬がその治療薬として用いられる。ROCK1とROCK2の2つのアイソフォームがある。ROCK2は特に脳と骨格筋に強く発現している。
脳の血管が攣縮して血液の流れが悪くなる状態。くも膜下出血の発症後、約4日~3週間の間に起こることが多い。脳血管攣縮による血流の悪化によって脳梗塞に発展する恐れがある。治療薬はファスジルを有効成分とするRhoキナーゼ阻害薬。脳血管攣縮を起こしている血管壁の平滑筋からはタンパク質であるHMGB1が細胞外へ放出されており、この働きによって血管の収縮を誘導する受容体の発現量が上昇することが確認されている。
ヒトを含む動物の疾病の診断や治療、予防に使用される物質のこと。厳密には、薬機法第2条第1項によって以下のように定義される。+日本薬局方に収められている物+人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であって、機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(電子計算機に対する指令であって、 一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ)及びこれを記録した記録媒体をいう。以下同じ)でないもの(医薬部外品及び再生…
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