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エナンチオマーの一方を指す。Sはラテン語で「左」を意味する「sinister」が由来。*1
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立体異性体のひとつ。互いに鏡写しの関係にあり重ね合せることができない一対の分子の一方のこと。鏡像異性体や光学異性体とも呼ばれる。元素構成が同じで元素結合の組み合わせも同じだが、その空間的な配置が異なる。実像とそれ自身の鏡像とが重ね合わせられない化学構造のことを「キラルである」または「キラリティーを持つ」と言う。L体とD体(R体とS体、とも呼ばれる)は互いにエナンチオマーであり、例えばグルコースにはL-グルコースとD-グルコースが存在する。L体とD体の混合物はラセミ体と呼ばれる…
不眠症の治療薬。ゾピクロンのS体のエナンチオマー。商品名はルネスタ。中枢神経系のGABAA受容体複合体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABAによる塩化物イオンの神経細胞内への流入を促進してGABAの作用を増強するとされる。
血液凝固因子であるビタミンKに拮抗して、血液を固まりにくくして血栓を予防する抗凝固薬の有効成分。脳梗塞などの血栓が原因となる疾患の予防などに処方される。ワーファリンとも表記される。抗血液凝固作用を示すクマリン骨格をもつジクマロールを基に合成された化合物であり、この研究に携わった研究者の所属機関名の Wisconsin Alumn(i Agriculture)Research Foundation(WARF)とクマリン(coumarin)の語尾を合わせて命名された。血液凝固因子…
互いにエナンチオマーである2つの化合物(D体とL体、R体とS体)が同じ量含まれる混合物のこと。エナンチオマーのひとつの半数が変換されてラセミ体となることをラセミ化と呼ぶ。医薬品では、R体とS体で異なる作用が現れる場合があり問題となるため、不斉合成によって、一方のエナンチオマーのみを合成する必要がある。サリドマイドは催眠鎮静薬として開発され、ラセミ体として販売されていました。薬害が問題となった後に、一方の鏡像異性体は望みの効果(鎮静作用)を示しますが、もう一方の鏡像異性体が非常…
エナンチオマーを持つ化合物の、どちらか一方(R体またはS体、D体またはL体)のみを選択的に合成する方法。エナンチオマーを持つ物質が医薬品として使われる場合、ラセミ体では副作用が出る可能性があるため、どちらか一方のみの合成が必要となる。
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