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*インスリン(insulin) [#p5eff289] [[膵臓]]の[[ランゲルハンス島]]に存在する[[β細胞]]から[[分泌]]される[[ペプチドホルモン]]。ショウジョウバエから[[哺乳類]]まで[[進化]]的に保存されている。[[インシュリン]]とも。((インスリン刺激下で細胞増殖を促進する分子間相互作用ネットワークを<br/>生体分子の大規模計測データから解明 - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部: https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2022/7841/)) [[血糖値]]を下げる唯一の[[ホルモン]]。[[糖尿病]]は、[[インスリン]]を[[分泌]]する[[β細胞]]の不全または体に[[インスリン]]自体が効きにくくなる[[インスリン抵抗性]]によって起こる。 **インスリンの働き [#p1df7ce6] [[肝臓]]や[[筋肉]](主に[[骨格筋]])に作用し、[[血液]]中の[[グルコース]]を取り込んで[[グリコーゲン]]を合成する。取り込んだ[[グルコース]]を直接エネルギー[[代謝]]に利用する([[糖代謝]])ほか、[[脂肪細胞]]に働いて取り込んだ[[グルコース]]を材料として[[脂肪]]([[中性脂肪]])の合成を促進して[[皮下脂肪]]として貯蔵させることによって[[血糖値]]を低下させる。取り込まれた[[血糖]]は[[筋]]に[[グリコーゲン]]として貯蔵される。((鈴峯女子短期大学 糖質の栄養: http://www.suzugamine.ac.jp/arinobu/gakusyuu/toushitsu.pdf))((首都大学東京 人間健康科学研究科 ヘルスプロモーションサイエンス学域 運動分子生物学研究室: http://www.comp.tmu.ac.jp/muscle/Kenkyuugaiyou-detail2.html))((KAKEN — 研究課題をさがす | インスリンと運動が脳の血糖取り込みに及ぼす影響 (KAKENHI-PROJECT-16K13024): https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16K13024/)) 具体的には、[[インスリン]]が[[インスリン受容体]]に結合すると内在性の[[チロシンキナーゼ]]が活性化され自己[[リン酸化]]が起こる。その[[リン酸化]][[チロシン]]に[[IRS]]が結合することで[[IRS]]の[[チロシンリン酸化]]が起こり、[[PI3K]]、[[Akt]]/[[PKB]]の活性化を介して[[GLUT4]]を[[細胞膜]]表面へ移行させて[[グルコース]]の取り込みを促進する。((膵β細胞におけるインスリン抵抗性の分子メカニズム 昭和大学: http://www.showa-u.ac.jp/sch/pharm/showa_jour_pharm/back_number/frdi8b000000i5yu-att/2-2_Toshihiro_Tanioka.pdf)) [[肝臓]]に[[インスリン]]が作用すると、[[糖新生]]と[[グリコーゲン]]分解が抑制され,[[解糖]]と[[グリコーゲン]]合成が促進される。((埼玉医科大学学術誌 視床下部インスリン/レプチン抵抗性の分子機構と摂食・糖代謝調節)) [[タンパク質]]の合成、分解抑制にも関与する。((国立大学法人 長崎大学 物質代謝・異化と同化 物質代謝・異化と同化膵島ホルモン(インスリン・グルカゴン)糖尿病 メタボリックシンドローム: http://www-sdc.med.nagasaki-u.ac.jp/genetech/genkenbunshi/pdf/H24.1.19.pdf)) [[インスリン]]は特に食後に[[分泌]]量が増えるが、常に[[分泌]]され[[血液]]中に含まれる。 >[[生体]]内における[[インスリン]]の[[分泌]]には、食後に一過的に[[分泌]]される追加[[分泌]]や空[[腹]]時にも微量に[[分泌]]される[[基]]礎[[分泌]]、そして15分程度の周期的[[分泌]]などがあり、[[血]]中[[インスリン]]の量は複数の時間波形成分からなることが知られている。また、[[糖尿病]]の初期では追加[[分泌]]量が減少する一方で[[基]]礎[[分泌]]量が増加することや、[[糖尿病]]患者では15分周期の振動成分が欠失していることが報告されている。((細胞内シグナリングの多重通信システム - プレスリリース - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部: https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2012/21.html)) [[三大栄養素]]全ての[[代謝]]に関わる。 >[[インスリン]]は,[[三大栄養素]]([[タンパク質]],[[糖質]],[[脂質]])すべての[[代謝]]を調節する作用を有しており,栄養素の[[代謝]]を考える上で非常に重要な[[ホルモン]]である.[[インスリン]]は[[タンパク質]]合成を促進し,分解を抑制することで[[タンパク質]][[代謝]]に対して[[同化]]的に作用する.((イソロイシンの糖代謝調節作用と臨床応用の可能性 吉澤史昭: http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2015/01/86-03-07.pdf)) 日本人は欧[[米]]人に比べて[[インスリン]][[分泌]]量が少ないため、低い[[BMI]]でも[[糖尿病]]になりやすいとされる。 **インスリンと寿命 [#l0c5861c] 下等[[生物]]では[[インスリン]]作用が低下すると[[寿命]]が延びることが知られているが、[[哺乳類]]では逆に[[筋肉]]で[[インスリン]]作用が低下すると[[老化]]が進み、[[寿命]]の短縮にもつながることが報告されている。((糖尿病でのインスリン作用低下が筋肉の老化と全身の寿命に及ぼす影響を解明|東京大学医学部附属病院: https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/20221005-1.html)) &tag(血糖,インスリン,代謝,ホルモン,膵臓,グルコース,寿命,糖尿病);
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*インスリン(insulin) [#p5eff289] [[膵臓]]の[[ランゲルハンス島]]に存在する[[β細胞]]から[[分泌]]される[[ペプチドホルモン]]。ショウジョウバエから[[哺乳類]]まで[[進化]]的に保存されている。[[インシュリン]]とも。((インスリン刺激下で細胞増殖を促進する分子間相互作用ネットワークを<br/>生体分子の大規模計測データから解明 - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部: https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2022/7841/)) [[血糖値]]を下げる唯一の[[ホルモン]]。[[糖尿病]]は、[[インスリン]]を[[分泌]]する[[β細胞]]の不全または体に[[インスリン]]自体が効きにくくなる[[インスリン抵抗性]]によって起こる。 **インスリンの働き [#p1df7ce6] [[肝臓]]や[[筋肉]](主に[[骨格筋]])に作用し、[[血液]]中の[[グルコース]]を取り込んで[[グリコーゲン]]を合成する。取り込んだ[[グルコース]]を直接エネルギー[[代謝]]に利用する([[糖代謝]])ほか、[[脂肪細胞]]に働いて取り込んだ[[グルコース]]を材料として[[脂肪]]([[中性脂肪]])の合成を促進して[[皮下脂肪]]として貯蔵させることによって[[血糖値]]を低下させる。取り込まれた[[血糖]]は[[筋]]に[[グリコーゲン]]として貯蔵される。((鈴峯女子短期大学 糖質の栄養: http://www.suzugamine.ac.jp/arinobu/gakusyuu/toushitsu.pdf))((首都大学東京 人間健康科学研究科 ヘルスプロモーションサイエンス学域 運動分子生物学研究室: http://www.comp.tmu.ac.jp/muscle/Kenkyuugaiyou-detail2.html))((KAKEN — 研究課題をさがす | インスリンと運動が脳の血糖取り込みに及ぼす影響 (KAKENHI-PROJECT-16K13024): https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16K13024/)) 具体的には、[[インスリン]]が[[インスリン受容体]]に結合すると内在性の[[チロシンキナーゼ]]が活性化され自己[[リン酸化]]が起こる。その[[リン酸化]][[チロシン]]に[[IRS]]が結合することで[[IRS]]の[[チロシンリン酸化]]が起こり、[[PI3K]]、[[Akt]]/[[PKB]]の活性化を介して[[GLUT4]]を[[細胞膜]]表面へ移行させて[[グルコース]]の取り込みを促進する。((膵β細胞におけるインスリン抵抗性の分子メカニズム 昭和大学: http://www.showa-u.ac.jp/sch/pharm/showa_jour_pharm/back_number/frdi8b000000i5yu-att/2-2_Toshihiro_Tanioka.pdf)) [[肝臓]]に[[インスリン]]が作用すると、[[糖新生]]と[[グリコーゲン]]分解が抑制され,[[解糖]]と[[グリコーゲン]]合成が促進される。((埼玉医科大学学術誌 視床下部インスリン/レプチン抵抗性の分子機構と摂食・糖代謝調節)) [[タンパク質]]の合成、分解抑制にも関与する。((国立大学法人 長崎大学 物質代謝・異化と同化 物質代謝・異化と同化膵島ホルモン(インスリン・グルカゴン)糖尿病 メタボリックシンドローム: http://www-sdc.med.nagasaki-u.ac.jp/genetech/genkenbunshi/pdf/H24.1.19.pdf)) [[インスリン]]は特に食後に[[分泌]]量が増えるが、常に[[分泌]]され[[血液]]中に含まれる。 >[[生体]]内における[[インスリン]]の[[分泌]]には、食後に一過的に[[分泌]]される追加[[分泌]]や空[[腹]]時にも微量に[[分泌]]される[[基]]礎[[分泌]]、そして15分程度の周期的[[分泌]]などがあり、[[血]]中[[インスリン]]の量は複数の時間波形成分からなることが知られている。また、[[糖尿病]]の初期では追加[[分泌]]量が減少する一方で[[基]]礎[[分泌]]量が増加することや、[[糖尿病]]患者では15分周期の振動成分が欠失していることが報告されている。((細胞内シグナリングの多重通信システム - プレスリリース - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部: https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2012/21.html)) [[三大栄養素]]全ての[[代謝]]に関わる。 >[[インスリン]]は,[[三大栄養素]]([[タンパク質]],[[糖質]],[[脂質]])すべての[[代謝]]を調節する作用を有しており,栄養素の[[代謝]]を考える上で非常に重要な[[ホルモン]]である.[[インスリン]]は[[タンパク質]]合成を促進し,分解を抑制することで[[タンパク質]][[代謝]]に対して[[同化]]的に作用する.((イソロイシンの糖代謝調節作用と臨床応用の可能性 吉澤史昭: http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2015/01/86-03-07.pdf)) 日本人は欧[[米]]人に比べて[[インスリン]][[分泌]]量が少ないため、低い[[BMI]]でも[[糖尿病]]になりやすいとされる。 **インスリンと寿命 [#l0c5861c] 下等[[生物]]では[[インスリン]]作用が低下すると[[寿命]]が延びることが知られているが、[[哺乳類]]では逆に[[筋肉]]で[[インスリン]]作用が低下すると[[老化]]が進み、[[寿命]]の短縮にもつながることが報告されている。((糖尿病でのインスリン作用低下が筋肉の老化と全身の寿命に及ぼす影響を解明|東京大学医学部附属病院: https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/20221005-1.html)) &tag(血糖,インスリン,代謝,ホルモン,膵臓,グルコース,寿命,糖尿病);
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