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*トランスポゾン(transposon) [#hd52da79] [[ゲノムDNA]]上の位置を移動することができる[[塩基配列]]のこと。ヒトの[[ゲノム]]全体の45%を占めるとされる。動く[[遺伝子]]や[[転移因子]]とも呼ばれる。((piRNAの生成機構および作用機序 : ライフサイエンス 領域融合レビュー: http://leading.lifesciencedb.jp/7-e003)) この移動には[[転移酵素]]と呼ばれる[[酵素]]が必要。[[トランスポゾン]]は自身の[[塩基配列]]中に[[転移酵素]]([[トランスポゼース]])の[[遺伝子]]配列を持つ。[[遺伝子再構成]]を引き起こす。 [[トランスポゼース]]の働きによって[[ゲノム]]から切り離された[[トランスポゾン]]は環状の[[DNA]]となって移動し、[[ゲノム]]の他の部位に挿入される。((“リンパ球系列” という既成概念からの解放 血液細胞分化研究におけるパラダイムシフト 河本宏 桂義元: http://kawamoto.frontier.kyoto-u.ac.jp/common/images/contents_for_researchers/d_03/kagakusousetu.pdf)) アサガオの変わり咲き([[突然変異]])の多くは[[トランスポゾン]]による[[遺伝子再構成]]によってもたらされたとされている。 >[[トランスポゾン]]は、[[染色体]][[ゲノム]]中を "移動" できる特殊な[[塩基配列]]のことで、入り込んだ[[トランスポゾン]]は[[ゲノム]]中で自らをコピー、ペースト、デリートすることができる。つまり、[[トランスポゾン]]が動きまわった部分の[[遺伝子]]が "再構成" されることになるのである。((技術評論社 西村尚子 知っているようで知らない免疫の話 ヒトの免疫はミミズの免疫とどう違う?(2010/8/25))) [[トランスポゾン]]の[[塩基配列]]の両端には、[[トランスポゾン]]独特の配列である逆向き反復配列が存在し、[[転移酵素]]はこの逆向き反復配列を認識して、[[トランスポゾン]]を[[DNA]]から切り取る。このとき、元々[[トランスポゾン]]が入っていた場所には、フット[[プリン]]トと呼ばれる逆向き反復配列一組(もしくはその一部)が残る。切り取られた[[トランスポゾン]]と[[転移酵素]]の複合体は他の[[DNA]]上へ移動し、[[転移酵素]]は[[トランスポゾン]]を[[DNA]]へ挿入する。((トランスポゾンを用いた突然変異体の作製とその技術の開発: http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/nishida/otamaboya/3-3.html)) **トランスポゾンの種類 [#zc50e0de] [[DNA]]配列が直接[[転移]]するもの([[DNAトランスポゾン]])と、[[転写]]された[[RNA]]が[[逆転写]]を経て[[転移]]するもの([[レトロトランスポゾン]])の2種類が存在する。((転写因子と突然変異: https://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/frp7an/genetics/pdf/11.pdf)) 環境[[ストレス]](高温など)によって活性化する[[トランスポゾン]]が[[ストレス]]に[[耐性]]を持った個体を誕生させることが報告されている。((北海道大学 トランスポゾンが環境ストレス耐性植物を誕生させた!: https://www.hokudai.ac.jp/news/160316_sci_pr2.pdf)) &tag(トランスポゾン,DNA,RNA,遺伝子,塩基配列,酵素);
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*トランスポゾン(transposon) [#hd52da79] [[ゲノムDNA]]上の位置を移動することができる[[塩基配列]]のこと。ヒトの[[ゲノム]]全体の45%を占めるとされる。動く[[遺伝子]]や[[転移因子]]とも呼ばれる。((piRNAの生成機構および作用機序 : ライフサイエンス 領域融合レビュー: http://leading.lifesciencedb.jp/7-e003)) この移動には[[転移酵素]]と呼ばれる[[酵素]]が必要。[[トランスポゾン]]は自身の[[塩基配列]]中に[[転移酵素]]([[トランスポゼース]])の[[遺伝子]]配列を持つ。[[遺伝子再構成]]を引き起こす。 [[トランスポゼース]]の働きによって[[ゲノム]]から切り離された[[トランスポゾン]]は環状の[[DNA]]となって移動し、[[ゲノム]]の他の部位に挿入される。((“リンパ球系列” という既成概念からの解放 血液細胞分化研究におけるパラダイムシフト 河本宏 桂義元: http://kawamoto.frontier.kyoto-u.ac.jp/common/images/contents_for_researchers/d_03/kagakusousetu.pdf)) アサガオの変わり咲き([[突然変異]])の多くは[[トランスポゾン]]による[[遺伝子再構成]]によってもたらされたとされている。 >[[トランスポゾン]]は、[[染色体]][[ゲノム]]中を "移動" できる特殊な[[塩基配列]]のことで、入り込んだ[[トランスポゾン]]は[[ゲノム]]中で自らをコピー、ペースト、デリートすることができる。つまり、[[トランスポゾン]]が動きまわった部分の[[遺伝子]]が "再構成" されることになるのである。((技術評論社 西村尚子 知っているようで知らない免疫の話 ヒトの免疫はミミズの免疫とどう違う?(2010/8/25))) [[トランスポゾン]]の[[塩基配列]]の両端には、[[トランスポゾン]]独特の配列である逆向き反復配列が存在し、[[転移酵素]]はこの逆向き反復配列を認識して、[[トランスポゾン]]を[[DNA]]から切り取る。このとき、元々[[トランスポゾン]]が入っていた場所には、フット[[プリン]]トと呼ばれる逆向き反復配列一組(もしくはその一部)が残る。切り取られた[[トランスポゾン]]と[[転移酵素]]の複合体は他の[[DNA]]上へ移動し、[[転移酵素]]は[[トランスポゾン]]を[[DNA]]へ挿入する。((トランスポゾンを用いた突然変異体の作製とその技術の開発: http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/nishida/otamaboya/3-3.html)) **トランスポゾンの種類 [#zc50e0de] [[DNA]]配列が直接[[転移]]するもの([[DNAトランスポゾン]])と、[[転写]]された[[RNA]]が[[逆転写]]を経て[[転移]]するもの([[レトロトランスポゾン]])の2種類が存在する。((転写因子と突然変異: https://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/frp7an/genetics/pdf/11.pdf)) 環境[[ストレス]](高温など)によって活性化する[[トランスポゾン]]が[[ストレス]]に[[耐性]]を持った個体を誕生させることが報告されている。((北海道大学 トランスポゾンが環境ストレス耐性植物を誕生させた!: https://www.hokudai.ac.jp/news/160316_sci_pr2.pdf)) &tag(トランスポゾン,DNA,RNA,遺伝子,塩基配列,酵素);
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