健康用語WEB事典
用語追加
更新履歴
用語一覧
ランキング
ランダム
最近更新された用語
ラクトミン
紅麹菌
シトリニン
合成ヒドロタルサイト
制酸剤
制酸薬
タカジアスターゼ
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー
PCAB
ボノプラザン
フードリテラシー
活性酸素
もっと見る…
新しい用語解説ページの作成や既にあるページの編集を行うことができます。
ページの書き方については以下のページを御覧ください。
基本的なページの書き方
さらに詳細な編集機能について
[[リンク]]
((注釈))
^{上付き}
_{下付き}
6
8
10
12
14
16
18
20
文字サイズ
画像挿入
リダイレクト
インクルード
*ビオチン(biotin) [#ibb666d2] [[ビタミンB]]に分類される[[水溶性ビタミン]]。様々な[[酵素]](主に[[ビオチン酵素]])の[[補酵素]]として働き、[[糖新生]]や[[アミノ酸]][[代謝]]、[[脂肪酸]]の合成などに関わる。[[ビタミンB7]]や[[コエンザイムR]]とも。過去には[[ビタミンH]]と呼ばれた。 #ref(biotin.png,ビオチンの化学構造,280); 三つの独立した研究からそれぞれ[[酵母]]の[[成長因子]]([[ビオスⅡb]])、[[根粒菌]]の成長と[[呼吸]]促進因子([[コエンザイムR]])、ラットの[[卵白障害]]の予防因子([[ビタミンH]])として発見された。((微量栄養素による健康寿命の延伸 東北大学大学院農学研究科 食品機能健康科学講座・栄養学分野 白川仁: https://www.sairct.idac.tohoku.ac.jp/wp-content/uploads/2020/07/200722_shirakawa_DL_V2.pdf)) >[[ビオチン]]は1927年、[[酵母]]の成長促進の有機成分として Boas によって発見された。この成分はビオス(bios)とよばれ、その後3つの異なった成分からなることが明らかになった。その一つの[[ビオスⅡb]]が[[ビオチン]](biotin)で、KoglとTonnis(1936)によって[[卵黄]]からメチル[[エステル]][[化合物]]として単離、結晶化された。… また、これとは別に、Gyogy(1931)も[[肝臓]]に存在する同様の因子を見出し、[[ビタミンH]](Haut:[[皮膚]]の意)と名づけた。… 後に[[ビオチン]]と[[ビタミンH]]は[[生理学]]的、[[生化学]]的、[[生物]]学的に同一の特性をもつことが認められた。((日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究 主任研究者 柴田克己 滋賀県立大学 教授: http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/H14Report.II-12.pdf)) [[脳]]や[[肝臓]]、[[血液]]などに多い。多くは[[タンパク質]]と結合して存在する。[[麹菌]]の[[細胞小器官]]である[[ペルオキシソーム]]で[[生合成]]されることが確認されている。((麹菌がビタミンをつくるメカニズムを解明 | 東京大学大学院農学生命科学研究科: http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2011/20110829-1.html)) **ビオチンの食事摂取基準((日本人の食事摂取基準(2015年版)スライド集: http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056112.html)) [#g686f0fb] |~年齢(歳)|~推奨量([[μg]]/日)| |1~2|20| |3~5|20| |6~7|25| |8~9|30| |10~11|35| |12~14|50| |15~17|50| |18~29|50| |30~49|50| |50~69|50| |70~|50| **ビオチンの欠乏症 [#ye4b1d69] [[脳]]における[[ビオチン]]欠乏は、[[乳酸]]の蓄積による[[緊張]]低下や[[痙攣]]、[[運動失調]]、発育遅延などの[[神経系]]症状を引き起こす。身体においては[[皮膚炎]]や[[結膜炎]]、[[脱毛]]、[[ケトアシドーシス]]・[[乳酸アシドーシス]]、[[乳幼児]]の発育遅延などが報告される。 [[卵白]]に含まれている[[アビジン]]が、[[消化管]]内で[[ビオチン]]と結合して[[ビオチン]]の吸収を阻害することが確認されている([[卵白障害]])。 >ヒトでは Sydenstricker による[[卵白障害]]の実験(1942)がある。毎日 200gの[[乾燥]][[卵白]]を与えたとき、7週以降では体内の[[ビオチン]]低下に伴って[[皮膚]]の[[発赤]]、[[疲労感]]、[[筋肉痛]]、[[知覚]]異常、[[嘔吐]]などの症状が現れ、[[血液]]学的にも[[ヘモグロビン]]減少、[[コレステロール]]の増加などが観察されている。((日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究 主任研究者 柴田克己 滋賀県立大学 教授)) 慢性的に生[[卵白]]を摂取した場合、[[毛髪]]の退色を伴う[[脱毛]]、[[湿疹]]、[[鬱病]]、[[嗜眠]]、[[幻覚]]、[[四肢]]の[[感覚]]異常などが報告されている。 **ビオチンを多く含む食品((日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究 主任研究者 柴田克己 滋賀県立大学 教授)) [#fbd4c316] |~食品名|~100gあたりに含まれる量([[μg]])| |[[ローヤルゼリー]]|400| |[[酵母]]|200| |[[レバー]]|100| |[[卵黄]]|50| |魚[[肉]]|20| [[肉]]類、野菜、[[果物]]には少ない。また、食品加工や保存加工はさらに減少する。
タイムスタンプを変更しない
存在するページ名にリンク
*ビオチン(biotin) [#ibb666d2] [[ビタミンB]]に分類される[[水溶性ビタミン]]。様々な[[酵素]](主に[[ビオチン酵素]])の[[補酵素]]として働き、[[糖新生]]や[[アミノ酸]][[代謝]]、[[脂肪酸]]の合成などに関わる。[[ビタミンB7]]や[[コエンザイムR]]とも。過去には[[ビタミンH]]と呼ばれた。 #ref(biotin.png,ビオチンの化学構造,280); 三つの独立した研究からそれぞれ[[酵母]]の[[成長因子]]([[ビオスⅡb]])、[[根粒菌]]の成長と[[呼吸]]促進因子([[コエンザイムR]])、ラットの[[卵白障害]]の予防因子([[ビタミンH]])として発見された。((微量栄養素による健康寿命の延伸 東北大学大学院農学研究科 食品機能健康科学講座・栄養学分野 白川仁: https://www.sairct.idac.tohoku.ac.jp/wp-content/uploads/2020/07/200722_shirakawa_DL_V2.pdf)) >[[ビオチン]]は1927年、[[酵母]]の成長促進の有機成分として Boas によって発見された。この成分はビオス(bios)とよばれ、その後3つの異なった成分からなることが明らかになった。その一つの[[ビオスⅡb]]が[[ビオチン]](biotin)で、KoglとTonnis(1936)によって[[卵黄]]からメチル[[エステル]][[化合物]]として単離、結晶化された。… また、これとは別に、Gyogy(1931)も[[肝臓]]に存在する同様の因子を見出し、[[ビタミンH]](Haut:[[皮膚]]の意)と名づけた。… 後に[[ビオチン]]と[[ビタミンH]]は[[生理学]]的、[[生化学]]的、[[生物]]学的に同一の特性をもつことが認められた。((日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究 主任研究者 柴田克己 滋賀県立大学 教授: http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/H14Report.II-12.pdf)) [[脳]]や[[肝臓]]、[[血液]]などに多い。多くは[[タンパク質]]と結合して存在する。[[麹菌]]の[[細胞小器官]]である[[ペルオキシソーム]]で[[生合成]]されることが確認されている。((麹菌がビタミンをつくるメカニズムを解明 | 東京大学大学院農学生命科学研究科: http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2011/20110829-1.html)) **ビオチンの食事摂取基準((日本人の食事摂取基準(2015年版)スライド集: http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056112.html)) [#g686f0fb] |~年齢(歳)|~推奨量([[μg]]/日)| |1~2|20| |3~5|20| |6~7|25| |8~9|30| |10~11|35| |12~14|50| |15~17|50| |18~29|50| |30~49|50| |50~69|50| |70~|50| **ビオチンの欠乏症 [#ye4b1d69] [[脳]]における[[ビオチン]]欠乏は、[[乳酸]]の蓄積による[[緊張]]低下や[[痙攣]]、[[運動失調]]、発育遅延などの[[神経系]]症状を引き起こす。身体においては[[皮膚炎]]や[[結膜炎]]、[[脱毛]]、[[ケトアシドーシス]]・[[乳酸アシドーシス]]、[[乳幼児]]の発育遅延などが報告される。 [[卵白]]に含まれている[[アビジン]]が、[[消化管]]内で[[ビオチン]]と結合して[[ビオチン]]の吸収を阻害することが確認されている([[卵白障害]])。 >ヒトでは Sydenstricker による[[卵白障害]]の実験(1942)がある。毎日 200gの[[乾燥]][[卵白]]を与えたとき、7週以降では体内の[[ビオチン]]低下に伴って[[皮膚]]の[[発赤]]、[[疲労感]]、[[筋肉痛]]、[[知覚]]異常、[[嘔吐]]などの症状が現れ、[[血液]]学的にも[[ヘモグロビン]]減少、[[コレステロール]]の増加などが観察されている。((日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究 主任研究者 柴田克己 滋賀県立大学 教授)) 慢性的に生[[卵白]]を摂取した場合、[[毛髪]]の退色を伴う[[脱毛]]、[[湿疹]]、[[鬱病]]、[[嗜眠]]、[[幻覚]]、[[四肢]]の[[感覚]]異常などが報告されている。 **ビオチンを多く含む食品((日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究 主任研究者 柴田克己 滋賀県立大学 教授)) [#fbd4c316] |~食品名|~100gあたりに含まれる量([[μg]])| |[[ローヤルゼリー]]|400| |[[酵母]]|200| |[[レバー]]|100| |[[卵黄]]|50| |魚[[肉]]|20| [[肉]]類、野菜、[[果物]]には少ない。また、食品加工や保存加工はさらに減少する。
この用語を編集
/
画像添付