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*ピロリ菌(Helicobacter pylori) [#w0b25f2d] 世界人[[口]]の約半数に[[感染]]しているとされる、螺旋形の[[グラム陰性菌]]。正式には[[ヘリコバクター・ピロリ]]と呼ばれる。 [[胃]]の出[[口]]である[[幽門]]でよく見つかる。[[免疫]]が弱い幼少期に食事を介して[[感染]]し、[[胃]]に住み着く。[[酵素]]の[[ウレアーゼ]]を産生し、これによって[[胃]]の中の[[尿素]]から[[アンモニア]]を発生させる。 [[慢性胃炎]]や[[胃潰瘍]]、[[十二指腸潰瘍]]、[[胃がん]]の原因となる。[[ピロリ菌]]が[[宿主]]の[[コレステロール]]を取り込んだ後、[[菌]]内で[[糖]]と[[脂質]]を付加することで[[胃炎]]を誘導する特有の[[糖脂質]]である[[α-コレステリルグルコシド]]を作り出すことが報告されている。((東北大学大学院工学研究科「ピロリ菌の増殖を抑制するオリゴ糖の大量合成に道」: https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press_20110208_2.pdf)) 国内では1990年代に40代の60%に[[感染]]していたが、現在は衛生環境が良くなっ[[たこ]]とから20%近くまで低下している。これによって[[胃がん]]の罹患率も半減している。しかし、60歳以上では70%以上が[[感染]]していると見られており、現在でも国内最大の[[感染症]]であるとされる。((中央公論新社 中川恵一 知れば怖くない 本当のがんの話)) [[塩分]]の過剰摂取によって[[ピロリ菌]]による[[胃]][[粘膜]]の[[炎症]]が進み、[[胃がん]]を発症しやすくなる。 [[ピロリ菌]]の[[LPS]]は[[TLR2]]と[[TLR10]]の[[リガンド]]となるため、これらの[[発現]]が多い人ほど[[胃がん]]の発症率が高いことが報告されている。((札幌医科大学医学部微生物学講座 永島裕之 Helicobacter pylori LPS は TLR2/TLR10 に認識される: https://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/seikagaku_seitaibogyo/jeiis/pdf/No20/No20-4-06.pdf)) &tag(細菌,胃炎,胃がん,病原体,感染症);
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*ピロリ菌(Helicobacter pylori) [#w0b25f2d] 世界人[[口]]の約半数に[[感染]]しているとされる、螺旋形の[[グラム陰性菌]]。正式には[[ヘリコバクター・ピロリ]]と呼ばれる。 [[胃]]の出[[口]]である[[幽門]]でよく見つかる。[[免疫]]が弱い幼少期に食事を介して[[感染]]し、[[胃]]に住み着く。[[酵素]]の[[ウレアーゼ]]を産生し、これによって[[胃]]の中の[[尿素]]から[[アンモニア]]を発生させる。 [[慢性胃炎]]や[[胃潰瘍]]、[[十二指腸潰瘍]]、[[胃がん]]の原因となる。[[ピロリ菌]]が[[宿主]]の[[コレステロール]]を取り込んだ後、[[菌]]内で[[糖]]と[[脂質]]を付加することで[[胃炎]]を誘導する特有の[[糖脂質]]である[[α-コレステリルグルコシド]]を作り出すことが報告されている。((東北大学大学院工学研究科「ピロリ菌の増殖を抑制するオリゴ糖の大量合成に道」: https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press_20110208_2.pdf)) 国内では1990年代に40代の60%に[[感染]]していたが、現在は衛生環境が良くなっ[[たこ]]とから20%近くまで低下している。これによって[[胃がん]]の罹患率も半減している。しかし、60歳以上では70%以上が[[感染]]していると見られており、現在でも国内最大の[[感染症]]であるとされる。((中央公論新社 中川恵一 知れば怖くない 本当のがんの話)) [[塩分]]の過剰摂取によって[[ピロリ菌]]による[[胃]][[粘膜]]の[[炎症]]が進み、[[胃がん]]を発症しやすくなる。 [[ピロリ菌]]の[[LPS]]は[[TLR2]]と[[TLR10]]の[[リガンド]]となるため、これらの[[発現]]が多い人ほど[[胃がん]]の発症率が高いことが報告されている。((札幌医科大学医学部微生物学講座 永島裕之 Helicobacter pylori LPS は TLR2/TLR10 に認識される: https://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/seikagaku_seitaibogyo/jeiis/pdf/No20/No20-4-06.pdf)) &tag(細菌,胃炎,胃がん,病原体,感染症);
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