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*乳酸菌(Lactobacillus) [#s9080845] [[糖類]](特に[[オリゴ糖]])を[[嫌気呼吸]]によって[[代謝]]してエネルギーを得て、[[乳酸]]を放出する[[細菌]]の総称。特定の[[細菌]]を指す名前ではない。乳酸菌の多くは[[通性嫌気性]]。((乳酸菌と日本人 埼玉県立大学健康開発学科准教授 亀沢幸雄: http://www.spu.ac.jp/nocms/strawberry0008/21web/22-02-01.pdf)) 乳酸菌の厳密な定義は「''[[グラム陽性]]の[[桿菌]]または[[球菌]]で、[[カタラーゼ]]陰性、運動性なし、内生胞子を形成せず、消費した[[グルコース]]の50%以上を[[乳酸]]に変換し得る[[細菌]]''」((乳酸菌・ビフィズス菌と健康 | 東京医療保健大学: http://www.thcu.ac.jp/research/column/detail.html?id=104))((プロバイオティクスとして用いられる乳酸菌の分類と効能: http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM1110_01.pdf)) 乳酸菌は、自然界のあらゆる環境に生息しており、200種類以上が確認されている。自然環境に存在する乳酸菌を分離して、有用物質を生産する菌を見つけることで、それを食品などに利用する。 乳酸菌が[[乳酸]]を作る最大の理由は[[NADH]]を[[NAD]]^{+}に再生させて[[糖代謝]]を動かすためとされる。[[乳酸]]は、自身にとっては不要な物質である。((信州大学名誉教授 細野明義 乳酸菌とビフィズス菌の糖代謝と発酵: http://www.nyusankin.or.jp/scientific/pdf/Nyusankin_493_a.pdf)) >乳酸菌は、[[糖]]や[[デンプン]]をはじめとする[[多糖]]から[[乳酸]]を生産することによってエネルギーを獲得するが、蓄積した[[乳酸]]は自身の生育や物質生産を阻害してしまう。((関西大学 化学生命工学部 生命・生物工学科 生物化学工学研究室 乳酸菌の共生および接着現象の解明と応用: http://www.thcu.ac.jp/research/column/detail.html?id=104)) **乳酸菌の用途 [#pe9c5d74] 乳酸菌が[[発酵]]([[嫌気呼吸]])によって出す[[乳酸]]は酸味があり、また、乳酸が食品の[[pH]]を下げて[[腐敗]]を防ぐ効果があるため[[発酵]]食品となる。[[ヨーグルト]]や[[チーズ]]などがその例である。 >[[発酵]]物は乳酸菌の生成する[[乳酸]]で [[pH]] が低下し、有害[[微生物]]の繁殖を抑制し、保存性を高めることに寄与している。またパンや[[アルコール発酵]]などでは[[酵母]]が[[炭酸]]ガスや[[アルコール]]を生成することが[[発酵]]の主として考えられているが、[[乳酸菌]]が風味に大きな影響を与えることが知られている。((Lactobacillus 属細菌の環境適応能の解析とその応用に関する研究 平成27年3月 渡邊正行:http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/5/53350/20160528120907905911/O0004442_fulltext.pdf)) >日本人が昔から食べてきた[[漬物]]、[[甘酒]]、[[味噌]]、[[醤油]]といった[[発酵]]食品には乳酸菌が必ず生息し、おいしい味付をしてきました。それらを通して、日本人は昔から乳酸菌を体に取り入れてきました。((東京農業大学 植物性乳酸菌 岡田教授: http://www.nodai.ac.jp/teacher/okada/index.html)) ワインの製造に用いられる種類も存在する。 >ある種の乳酸菌は、ワイン醸造工程において[[リンゴ酸]]を[[乳酸]]に変換する重要な働きを行っています。これは[[マロラクティック発酵]]と呼ばれ、ワインの味わいをまろやかにするとともに、ワインに[[微生物]]安定性や香りの複雑さを与えます。((発酵食品およびワイン醸造の微生物学的研究|山梨大学生命環境学部 大学院生命環境学専攻>http://www.les.yamanashi.ac.jp/modules/kenkyu/index.php?content_id=18)) [[乳酸発酵]]には[[ヘテロ乳酸発酵]]と[[ホモ乳酸発酵]]の二種類が存在する。 **乳酸菌の種類((Lactobacillus 属細菌の環境適応能の解析とその応用に関する研究 平成27年3月 渡邊正行: http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/5/53350/20160528120907905911/O0004442_fulltext.pdf)) [#w70d812f] 野菜や穀物などの植物に住む乳酸菌を[[植物性乳酸菌]]と呼ぶ。これに対し乳製品に存在するような乳酸菌を[[動物性乳酸菌]]と呼ぶ。 乳酸菌は大きく以下の属に分けられる。 -[[レンサ球菌]]属([[ストレプトコッカス]]属) --[[サーモフィルス菌]] -[[ラクトバチルス]]属 --[[ロイテリ菌]] --[[ブルガリクス菌]]([[R-1乳酸菌]]) -[[ラクトコッカス]]属 -[[ペディオコッカス]]属 -[[リューコノストック]]属 -[[エンテロコッカス]]属 -[[ビフィドバクテリウム]]属 厳密には、[[乳酸]]生成量が50%未満であるため乳酸菌の定義には当てはまらないが、広義の乳酸菌として扱われる。いわゆる[[ビフィズス菌]]である。 -[[ビフィダム菌]] -[[ブレーベ菌]] -[[ロングム菌]] -[[アドレッセンティス菌]] **乳酸菌の健康効果 [#g9ca8d61] [[腸]]内環境を整える効果があると考えられている。 >乳酸菌の中には、善玉菌としての健康効果を期待できるものもあります。 有名なのは[[ビフィズス菌]]で、もともと[[腸]]内にも存在しますが、さらに[[ヨーグルト]]で補おうというものです。 [[ガセリ菌]]SP株は[[胃酸]]でも死なず生きて[[腸]]まで届き、しかもそこに長くとどまることが確認され、最近使われる[[ヨーグルト]]も出てきました。((日本大学生物資源科学部 ミルク科学研究室 ホームページ 研究室活動報告: http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~anikoyu/ms/chisiki.html)) 乳酸菌の死骸にも[[腸]]内環境を整える効果があることが示唆されている。 >現在ではヨーグルト中の乳酸菌が生きていても死んでいても効果があるとする論文が多く発表されています。というのも、[[菌]]の生死に関わらず[[菌]]体成分そのものに[[腸]]の[[免疫]]機能を活性化する効果があるからです。((乳酸菌がおなかにいいわけ - ヨーグルト&乳酸菌 ガイド - Cute.Guides at 九州大学 Kyushu University: http://guides.lib.kyushu-u.ac.jp/content.php?pid=630304&sid=5282943)) しかし、生きたままの乳酸菌による効果も報告されているため、可能な限り生きた状態で届けることが望ましいと考えられる。 >生[[菌]]に重きを置くのは,生きて[[腸]]に届くという宣伝文句が増えてきたことと,実際,生[[菌]]を[[腸]]に届けることによって初めて認められた効果があり,死[[菌]]とは一線を画すべきではないかと考えられるためである. >... >一例を紹介すると,このカプセル化ビフィズス生菌を94人に毎日20億個ずつ,2週間にわたって摂取してもらった.その結果,[[便秘]]傾向者27人では排[[便]]回数の増加が,[[下痢]]傾向者21人では排[[便]]回数の減少や[[便]]性状の改善が見られ,典型的な整[[腸]]作用を示すことが確認された.健康は[[腸]]からと言われて久しいが,[[ビフィズス菌]]は[[腸内細菌]]叢のバランスを維持することにより,ヒトの健康に重要な役割を果たしている.((身近だけれど以外に知らない乳酸菌・ビフィズス菌の姿 浅田雅宣: https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9008/9008_yomoyama_2.pdf)) また、[[タンパク質]]を分解して[[消化]]を助ける。
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*乳酸菌(Lactobacillus) [#s9080845] [[糖類]](特に[[オリゴ糖]])を[[嫌気呼吸]]によって[[代謝]]してエネルギーを得て、[[乳酸]]を放出する[[細菌]]の総称。特定の[[細菌]]を指す名前ではない。乳酸菌の多くは[[通性嫌気性]]。((乳酸菌と日本人 埼玉県立大学健康開発学科准教授 亀沢幸雄: http://www.spu.ac.jp/nocms/strawberry0008/21web/22-02-01.pdf)) 乳酸菌の厳密な定義は「''[[グラム陽性]]の[[桿菌]]または[[球菌]]で、[[カタラーゼ]]陰性、運動性なし、内生胞子を形成せず、消費した[[グルコース]]の50%以上を[[乳酸]]に変換し得る[[細菌]]''」((乳酸菌・ビフィズス菌と健康 | 東京医療保健大学: http://www.thcu.ac.jp/research/column/detail.html?id=104))((プロバイオティクスとして用いられる乳酸菌の分類と効能: http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM1110_01.pdf)) 乳酸菌は、自然界のあらゆる環境に生息しており、200種類以上が確認されている。自然環境に存在する乳酸菌を分離して、有用物質を生産する菌を見つけることで、それを食品などに利用する。 乳酸菌が[[乳酸]]を作る最大の理由は[[NADH]]を[[NAD]]^{+}に再生させて[[糖代謝]]を動かすためとされる。[[乳酸]]は、自身にとっては不要な物質である。((信州大学名誉教授 細野明義 乳酸菌とビフィズス菌の糖代謝と発酵: http://www.nyusankin.or.jp/scientific/pdf/Nyusankin_493_a.pdf)) >乳酸菌は、[[糖]]や[[デンプン]]をはじめとする[[多糖]]から[[乳酸]]を生産することによってエネルギーを獲得するが、蓄積した[[乳酸]]は自身の生育や物質生産を阻害してしまう。((関西大学 化学生命工学部 生命・生物工学科 生物化学工学研究室 乳酸菌の共生および接着現象の解明と応用: http://www.thcu.ac.jp/research/column/detail.html?id=104)) **乳酸菌の用途 [#pe9c5d74] 乳酸菌が[[発酵]]([[嫌気呼吸]])によって出す[[乳酸]]は酸味があり、また、乳酸が食品の[[pH]]を下げて[[腐敗]]を防ぐ効果があるため[[発酵]]食品となる。[[ヨーグルト]]や[[チーズ]]などがその例である。 >[[発酵]]物は乳酸菌の生成する[[乳酸]]で [[pH]] が低下し、有害[[微生物]]の繁殖を抑制し、保存性を高めることに寄与している。またパンや[[アルコール発酵]]などでは[[酵母]]が[[炭酸]]ガスや[[アルコール]]を生成することが[[発酵]]の主として考えられているが、[[乳酸菌]]が風味に大きな影響を与えることが知られている。((Lactobacillus 属細菌の環境適応能の解析とその応用に関する研究 平成27年3月 渡邊正行:http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/5/53350/20160528120907905911/O0004442_fulltext.pdf)) >日本人が昔から食べてきた[[漬物]]、[[甘酒]]、[[味噌]]、[[醤油]]といった[[発酵]]食品には乳酸菌が必ず生息し、おいしい味付をしてきました。それらを通して、日本人は昔から乳酸菌を体に取り入れてきました。((東京農業大学 植物性乳酸菌 岡田教授: http://www.nodai.ac.jp/teacher/okada/index.html)) ワインの製造に用いられる種類も存在する。 >ある種の乳酸菌は、ワイン醸造工程において[[リンゴ酸]]を[[乳酸]]に変換する重要な働きを行っています。これは[[マロラクティック発酵]]と呼ばれ、ワインの味わいをまろやかにするとともに、ワインに[[微生物]]安定性や香りの複雑さを与えます。((発酵食品およびワイン醸造の微生物学的研究|山梨大学生命環境学部 大学院生命環境学専攻>http://www.les.yamanashi.ac.jp/modules/kenkyu/index.php?content_id=18)) [[乳酸発酵]]には[[ヘテロ乳酸発酵]]と[[ホモ乳酸発酵]]の二種類が存在する。 **乳酸菌の種類((Lactobacillus 属細菌の環境適応能の解析とその応用に関する研究 平成27年3月 渡邊正行: http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/5/53350/20160528120907905911/O0004442_fulltext.pdf)) [#w70d812f] 野菜や穀物などの植物に住む乳酸菌を[[植物性乳酸菌]]と呼ぶ。これに対し乳製品に存在するような乳酸菌を[[動物性乳酸菌]]と呼ぶ。 乳酸菌は大きく以下の属に分けられる。 -[[レンサ球菌]]属([[ストレプトコッカス]]属) --[[サーモフィルス菌]] -[[ラクトバチルス]]属 --[[ロイテリ菌]] --[[ブルガリクス菌]]([[R-1乳酸菌]]) -[[ラクトコッカス]]属 -[[ペディオコッカス]]属 -[[リューコノストック]]属 -[[エンテロコッカス]]属 -[[ビフィドバクテリウム]]属 厳密には、[[乳酸]]生成量が50%未満であるため乳酸菌の定義には当てはまらないが、広義の乳酸菌として扱われる。いわゆる[[ビフィズス菌]]である。 -[[ビフィダム菌]] -[[ブレーベ菌]] -[[ロングム菌]] -[[アドレッセンティス菌]] **乳酸菌の健康効果 [#g9ca8d61] [[腸]]内環境を整える効果があると考えられている。 >乳酸菌の中には、善玉菌としての健康効果を期待できるものもあります。 有名なのは[[ビフィズス菌]]で、もともと[[腸]]内にも存在しますが、さらに[[ヨーグルト]]で補おうというものです。 [[ガセリ菌]]SP株は[[胃酸]]でも死なず生きて[[腸]]まで届き、しかもそこに長くとどまることが確認され、最近使われる[[ヨーグルト]]も出てきました。((日本大学生物資源科学部 ミルク科学研究室 ホームページ 研究室活動報告: http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~anikoyu/ms/chisiki.html)) 乳酸菌の死骸にも[[腸]]内環境を整える効果があることが示唆されている。 >現在ではヨーグルト中の乳酸菌が生きていても死んでいても効果があるとする論文が多く発表されています。というのも、[[菌]]の生死に関わらず[[菌]]体成分そのものに[[腸]]の[[免疫]]機能を活性化する効果があるからです。((乳酸菌がおなかにいいわけ - ヨーグルト&乳酸菌 ガイド - Cute.Guides at 九州大学 Kyushu University: http://guides.lib.kyushu-u.ac.jp/content.php?pid=630304&sid=5282943)) しかし、生きたままの乳酸菌による効果も報告されているため、可能な限り生きた状態で届けることが望ましいと考えられる。 >生[[菌]]に重きを置くのは,生きて[[腸]]に届くという宣伝文句が増えてきたことと,実際,生[[菌]]を[[腸]]に届けることによって初めて認められた効果があり,死[[菌]]とは一線を画すべきではないかと考えられるためである. >... >一例を紹介すると,このカプセル化ビフィズス生菌を94人に毎日20億個ずつ,2週間にわたって摂取してもらった.その結果,[[便秘]]傾向者27人では排[[便]]回数の増加が,[[下痢]]傾向者21人では排[[便]]回数の減少や[[便]]性状の改善が見られ,典型的な整[[腸]]作用を示すことが確認された.健康は[[腸]]からと言われて久しいが,[[ビフィズス菌]]は[[腸内細菌]]叢のバランスを維持することにより,ヒトの健康に重要な役割を果たしている.((身近だけれど以外に知らない乳酸菌・ビフィズス菌の姿 浅田雅宣: https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9008/9008_yomoyama_2.pdf)) また、[[タンパク質]]を分解して[[消化]]を助ける。
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