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*塩化ナトリウム(sodium chloride) [#i5dabe31] [[食塩]]の主成分。[[塩化Na]]とも。[[分子式]]は NaCl 食品から摂取した塩化ナトリウムは、[[ミネラル]]の[[ナトリウム]]として吸収される。 ([[ナトリウム]]の推奨摂取量および塩化ナトリウムから摂取できる[[ナトリウム]]量については「[[ナトリウム]]」を参照) 特定の成分から感じる[[味覚]]を増強する働きを持つ。 >[[アミノ酸]]、[[うま味]]物質、[[糖]]などの[[味覚]]強度は、[[食塩]]が共存すると著しく増強される。例えば、[[グルタミン酸ナトリウム]]([[MSG]])や[[イノシン酸]]([[IMP]])の[[うま味]]、[[アラニン]]の[[甘味]]は[[食塩]]が 100mM(約 0.6%)付近で最大の増強作用を示すことが報告されており、即席カップうどんではこのような増強効果を利用しておいしさを形成しているものと思われる。((市販うどんつゆの呈味成分の比較: http://ci.nii.ac.jp/naid/110009574194)) 体内の[[塩分]]([[ナトリウム]])は[[腎臓]]の[[糸球体]]で排泄され、一部が[[尿細管]]で適切に再吸収されることによって一定に保たれる。その働きは[[アルドステロン]]によって調節される。 [[塩分]]の過剰状態は、不要な[[ナトリウム]]を排出するために[[血圧]]を上げることが必要となるため、[[高血圧]]などを引き起こし[[生活習慣病]]などのリスクを高める。 >[[塩分]]摂取量が多いとすべてのヒトが[[高血圧]]になるわけではなく,[[腎臓]]での[[ナトリウム]]排泄機能により[[血圧]]を上昇させなければ十分に[[ナトリウム]]が排泄できない場合,[[高血圧]]となる.短期間であれば[[心血管]]系に大きな問題にはならないが,長期に続くと心負荷,[[血管]]病変へとつながり,予後が悪くなる.((東京大学医学部附属病院 塩分の過剰摂取と高血圧の関係: https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/50/4/50_250/_article/-char/ja/)) [[塩分]]が過剰な状態において、[[Rac1]]が[[鉱質コルチコイド受容体]]([[MR]])の活性化を引き起こして[[血圧]]が上昇することが報告されている。 >最近、[[塩分]]の過剰摂取時に、[[Rac1]]-[[MR]]系の異常活性化により[[腎臓]]での[[ナトリウム]]排泄が障害され[[高血圧]]を生じることを明らかにしました (J Clin Invest 2011)。今回の成果によって、活性化した[[Rac1]]が[[MR]]に作用することで、[[塩分]]過剰な環境における[[MR]]の不適切な活性化を引き起こし、[[血圧]]が上昇することが明らかになりました。((研究概要 | 東京大学・先端科学技術研究センター 臨床エピジェネティクス講座: http://www.c-epi.rcast.u-tokyo.ac.jp/research.html)) 例外的に、一部の部位においては症状の軽減に寄与する場合がある。 >慢性的な[[塩分]]の過剰摂取により増悪する[[腎]]疾患がある反面、[[近位尿細管]]障害を主体とする急性[[腎]]障害の一部に対しては、短期的な[[塩分]]負荷が病態の軽減あるいは予防効果をもたらすことも広く示されており、臨床の現場でも実際に使用されております。((塩分負荷が腎臓の近位尿細管細胞のインターフェロンγ誘導性の免疫応答を抑制する 塩分濃度による新しい免疫修飾機構の発見: http://www.tmd.ac.jp/archive-tmdu/kouhou/20170420.pdf))
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*塩化ナトリウム(sodium chloride) [#i5dabe31] [[食塩]]の主成分。[[塩化Na]]とも。[[分子式]]は NaCl 食品から摂取した塩化ナトリウムは、[[ミネラル]]の[[ナトリウム]]として吸収される。 ([[ナトリウム]]の推奨摂取量および塩化ナトリウムから摂取できる[[ナトリウム]]量については「[[ナトリウム]]」を参照) 特定の成分から感じる[[味覚]]を増強する働きを持つ。 >[[アミノ酸]]、[[うま味]]物質、[[糖]]などの[[味覚]]強度は、[[食塩]]が共存すると著しく増強される。例えば、[[グルタミン酸ナトリウム]]([[MSG]])や[[イノシン酸]]([[IMP]])の[[うま味]]、[[アラニン]]の[[甘味]]は[[食塩]]が 100mM(約 0.6%)付近で最大の増強作用を示すことが報告されており、即席カップうどんではこのような増強効果を利用しておいしさを形成しているものと思われる。((市販うどんつゆの呈味成分の比較: http://ci.nii.ac.jp/naid/110009574194)) 体内の[[塩分]]([[ナトリウム]])は[[腎臓]]の[[糸球体]]で排泄され、一部が[[尿細管]]で適切に再吸収されることによって一定に保たれる。その働きは[[アルドステロン]]によって調節される。 [[塩分]]の過剰状態は、不要な[[ナトリウム]]を排出するために[[血圧]]を上げることが必要となるため、[[高血圧]]などを引き起こし[[生活習慣病]]などのリスクを高める。 >[[塩分]]摂取量が多いとすべてのヒトが[[高血圧]]になるわけではなく,[[腎臓]]での[[ナトリウム]]排泄機能により[[血圧]]を上昇させなければ十分に[[ナトリウム]]が排泄できない場合,[[高血圧]]となる.短期間であれば[[心血管]]系に大きな問題にはならないが,長期に続くと心負荷,[[血管]]病変へとつながり,予後が悪くなる.((東京大学医学部附属病院 塩分の過剰摂取と高血圧の関係: https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/50/4/50_250/_article/-char/ja/)) [[塩分]]が過剰な状態において、[[Rac1]]が[[鉱質コルチコイド受容体]]([[MR]])の活性化を引き起こして[[血圧]]が上昇することが報告されている。 >最近、[[塩分]]の過剰摂取時に、[[Rac1]]-[[MR]]系の異常活性化により[[腎臓]]での[[ナトリウム]]排泄が障害され[[高血圧]]を生じることを明らかにしました (J Clin Invest 2011)。今回の成果によって、活性化した[[Rac1]]が[[MR]]に作用することで、[[塩分]]過剰な環境における[[MR]]の不適切な活性化を引き起こし、[[血圧]]が上昇することが明らかになりました。((研究概要 | 東京大学・先端科学技術研究センター 臨床エピジェネティクス講座: http://www.c-epi.rcast.u-tokyo.ac.jp/research.html)) 例外的に、一部の部位においては症状の軽減に寄与する場合がある。 >慢性的な[[塩分]]の過剰摂取により増悪する[[腎]]疾患がある反面、[[近位尿細管]]障害を主体とする急性[[腎]]障害の一部に対しては、短期的な[[塩分]]負荷が病態の軽減あるいは予防効果をもたらすことも広く示されており、臨床の現場でも実際に使用されております。((塩分負荷が腎臓の近位尿細管細胞のインターフェロンγ誘導性の免疫応答を抑制する 塩分濃度による新しい免疫修飾機構の発見: http://www.tmd.ac.jp/archive-tmdu/kouhou/20170420.pdf))
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