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*樹状細胞(dendritic cell : DC) [#j6ab7f9f] [[抗原提示細胞]]のひとつ。[[単球]]から[[分化]]してできる[[白血球]]で、[[T細胞]]の[[分化]]や活性化・不活性化の制御などを行う。大きさは20〜50[[μm]]と大型。欠点は数が少なく[[寿命]]が短い(数日)こと。((市民公開講座 からだをまもる免疫の研究 樗木俊聡 東京医科歯科大学難治疾患研究所生体防御学分野: http://www.tmd.ac.jp/mri/koushimi/shimin/ooteki.pdf)) 1973年にアメリカのラルフ・マーヴィン・スタインマン(Ralph Marvin Steinman)によって発見され、[[組織]]に結合したときに木の枝状の突起を伸ばすことからその名が付けられた。((東邦出版 星野泰三 吉田朋子 共著 がんのプレシジョン免疫学(2017/8/21))) 樹状細胞が[[抗原]]([[病原体]]など)を捉えると、それを[[食作用]]により取り込み[[細胞]]内で分解して、その[[抗原]]の[[タンパク質]]の断片([[ペプチド]])を[[細胞]]表面に出す。その後、[[リンパ節]]などの[[組織]]に移動し、その[[抗原]]を認識できる[[T細胞]]との合流を図る。認識できる[[T細胞]]に合流できたら、[[抗原]]を[[T細胞]]に提示して[[T細胞]]を活性化する。((技術評論社 桂義元 免疫はがんに何をしているのか? 見えてきた免疫のメカニズム 2016/12/25))((NHK高校講座 | 生物基礎 | 第28回 適応免疫 (2): https://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/seibutsukiso/archive/resume028.html)) [[HLAクラスⅡ分子]]を恒常的に[[発現]]している。[[抗原]]特異的な[[ナイーブヘルパーT細胞]]は、[[抗原]]を取り込んだ[[樹状細胞]]に[[HLAクラスⅡ分子]]と共に[[ペプチド]]の形で[[抗原提示]]を受けて活性化される。((「樹状細胞:免疫の監視細胞」稲葉カヨ「樹状細胞とは一口に言うと、どのような細胞?」: http://www.jsi-men-eki.org/general/qa_pdf/inada.pdf))((濾胞性T細胞による抗体産生の制御 アレルギー疾患病因への関与とその機構 ベイラー免疫研究所 堀内周 上野英樹: https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/64/6/64_802/_pdf)) [[樹状細胞]]によって活性化された[[T細胞]]は、その[[樹状細胞]]表面の[[MHCクラスⅡ分子]]の[[発現]]量を低下させることで過剰に[[ナイーブT細胞]]が活性化されるのを防ぐネガティブフィードバック機構を有することが示唆されている。((岡山大学 生体応答制御学 樹状細胞による抗原提示: http://www.pharm.okayama-u.ac.jp/lab/meneki/research/dc/)) [[がん細胞]]の[[抗原]]を提示するのは[[マクロファージ]]ではなく主に樹状細胞による働きであることが確認されている。((東邦出版 星野泰三 吉田朋子 共著 がんのプレシジョン免疫学(2017/8/21)))((西東社 カラー図解 免疫学の基本がわかる事典 鈴木隆二(2015/6/3): https://amzn.to/2SW7bg)) [[転写因子]]である[[GATA2]]が、[[造血幹細胞]]から[[樹状細胞]]への[[分化]]に関わっており、[[GATA2]][[遺伝子]]の異常は[[骨髄異形成症候群]]や[[急性白血病]]などの[[免疫不全症]]の原因となるとされる。((免疫細胞である樹状細胞の分化メカニズムの解明 転写因子 GATA2 は樹状細胞の分化を制御する: https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20160615_04web.pdf)) >異物である[[抗原]]を[[細胞]]内に取り込んで加工し,[[MHCクラスⅡ分子]]や[[MHCクラスⅠ分子]]上に[[抗原]][[ペプチド]]を載せ,[[ヘルパーT細胞]]と[[キラーT細胞]]に提示することで[[免疫応答]]を開始させる,[[組織]]にくまなく分布する重要な[[細胞]].この[[細胞]]表面上に制御性MHCクラスⅠ[[受容体]]である[[PIR-B]]が[[発現]]する.((東北大学加齢医学研究所 遺伝子導入研究分野 キラーT細胞のはたらきを調節する受容体分子を発見: https://www.tohoku.ac.jp/japanese/press_release/pdf2008/20080909.pdf)) **樹状細胞の成熟((樹状細胞における細胞表面 MHC-II 分子の発現制御機構 古田和幸: http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2014/08/86-01-10.pdf)) [#cd641316] [[末梢組織]]に局在する未成熟の樹状細胞([[細菌]]などの病原性[[抗原]]を取り込んだことのない)は、[[ファゴサイトーシス]]や[[エンドサイトーシス]]による[[細胞]]外からの物質取り込み能が高く、周囲に存在する[[タンパク質]]などを絶えず取り込んでいるが、[[細胞]]表面への[[発現]]は少なく[[抗原提示]]能は低い。 しかし、病原性の[[抗原]]を取り込むと、[[病原体]]由来成分が[[Toll様受容体]]([[TLR]])を刺激するため[[樹状細胞]]は活性化(成熟)され、[[細胞]]表面の[[MHCクラスⅡ分子]]および[[CD40]]、[[CD86]]といった[[共刺激]][[分子]]の[[発現]]量が上昇し、[[樹状細胞]]は高い[[抗原提示]]能を持つようになる。 **樹状細胞の種類((東邦出版 星野泰三 吉田朋子 共著 がんのプレシジョン免疫学(2017/8/21)))((「樹状細胞:免疫の監視細胞」稲葉カヨ「樹状細胞とは一口に言うと、どのような細胞?」: http://www.jsi-men-eki.org/general/qa_pdf/inada.pdf))((西東社 カラー図解 免疫学の基本がわかる事典 鈴木隆二(2015/6/3)))((熊本大学学術リポジトリ 高橋潔 樹状細胞の発生、分化と成熟: http://reposit.lib.kumamoto-u.ac.jp/handle/2298/10436)) [#k1112a03] 樹状細胞は存在する[[組織]]や[[リンパ球]]との関わりによって以下のように分類される。 -[[T細胞]]関連樹状細胞 --[[骨髄系樹状細胞]](全身) --[[形質細胞様樹状細胞]](全身) --[[ランゲルハンス細胞]]([[表皮]]) --[[相互連結性嵌入細胞]]/[[指状嵌入細胞]]([[胸腺髄質]]や[[リンパ節副皮質]]) --[[真皮樹状細胞]]([[真皮]]) --[[ヴェール細胞]]([[輸入リンパ管]]) -[[B細胞]]関連樹状細胞 --[[胚中心樹状細胞]]([[胚中心]]) --[[濾胞樹状細胞]]([[リンパ濾胞]]) 通常の樹状細胞を[[古典的樹状細胞]]と呼んで他と明確に区別する場合がある。
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*樹状細胞(dendritic cell : DC) [#j6ab7f9f] [[抗原提示細胞]]のひとつ。[[単球]]から[[分化]]してできる[[白血球]]で、[[T細胞]]の[[分化]]や活性化・不活性化の制御などを行う。大きさは20〜50[[μm]]と大型。欠点は数が少なく[[寿命]]が短い(数日)こと。((市民公開講座 からだをまもる免疫の研究 樗木俊聡 東京医科歯科大学難治疾患研究所生体防御学分野: http://www.tmd.ac.jp/mri/koushimi/shimin/ooteki.pdf)) 1973年にアメリカのラルフ・マーヴィン・スタインマン(Ralph Marvin Steinman)によって発見され、[[組織]]に結合したときに木の枝状の突起を伸ばすことからその名が付けられた。((東邦出版 星野泰三 吉田朋子 共著 がんのプレシジョン免疫学(2017/8/21))) 樹状細胞が[[抗原]]([[病原体]]など)を捉えると、それを[[食作用]]により取り込み[[細胞]]内で分解して、その[[抗原]]の[[タンパク質]]の断片([[ペプチド]])を[[細胞]]表面に出す。その後、[[リンパ節]]などの[[組織]]に移動し、その[[抗原]]を認識できる[[T細胞]]との合流を図る。認識できる[[T細胞]]に合流できたら、[[抗原]]を[[T細胞]]に提示して[[T細胞]]を活性化する。((技術評論社 桂義元 免疫はがんに何をしているのか? 見えてきた免疫のメカニズム 2016/12/25))((NHK高校講座 | 生物基礎 | 第28回 適応免疫 (2): https://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/seibutsukiso/archive/resume028.html)) [[HLAクラスⅡ分子]]を恒常的に[[発現]]している。[[抗原]]特異的な[[ナイーブヘルパーT細胞]]は、[[抗原]]を取り込んだ[[樹状細胞]]に[[HLAクラスⅡ分子]]と共に[[ペプチド]]の形で[[抗原提示]]を受けて活性化される。((「樹状細胞:免疫の監視細胞」稲葉カヨ「樹状細胞とは一口に言うと、どのような細胞?」: http://www.jsi-men-eki.org/general/qa_pdf/inada.pdf))((濾胞性T細胞による抗体産生の制御 アレルギー疾患病因への関与とその機構 ベイラー免疫研究所 堀内周 上野英樹: https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/64/6/64_802/_pdf)) [[樹状細胞]]によって活性化された[[T細胞]]は、その[[樹状細胞]]表面の[[MHCクラスⅡ分子]]の[[発現]]量を低下させることで過剰に[[ナイーブT細胞]]が活性化されるのを防ぐネガティブフィードバック機構を有することが示唆されている。((岡山大学 生体応答制御学 樹状細胞による抗原提示: http://www.pharm.okayama-u.ac.jp/lab/meneki/research/dc/)) [[がん細胞]]の[[抗原]]を提示するのは[[マクロファージ]]ではなく主に樹状細胞による働きであることが確認されている。((東邦出版 星野泰三 吉田朋子 共著 がんのプレシジョン免疫学(2017/8/21)))((西東社 カラー図解 免疫学の基本がわかる事典 鈴木隆二(2015/6/3): https://amzn.to/2SW7bg)) [[転写因子]]である[[GATA2]]が、[[造血幹細胞]]から[[樹状細胞]]への[[分化]]に関わっており、[[GATA2]][[遺伝子]]の異常は[[骨髄異形成症候群]]や[[急性白血病]]などの[[免疫不全症]]の原因となるとされる。((免疫細胞である樹状細胞の分化メカニズムの解明 転写因子 GATA2 は樹状細胞の分化を制御する: https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20160615_04web.pdf)) >異物である[[抗原]]を[[細胞]]内に取り込んで加工し,[[MHCクラスⅡ分子]]や[[MHCクラスⅠ分子]]上に[[抗原]][[ペプチド]]を載せ,[[ヘルパーT細胞]]と[[キラーT細胞]]に提示することで[[免疫応答]]を開始させる,[[組織]]にくまなく分布する重要な[[細胞]].この[[細胞]]表面上に制御性MHCクラスⅠ[[受容体]]である[[PIR-B]]が[[発現]]する.((東北大学加齢医学研究所 遺伝子導入研究分野 キラーT細胞のはたらきを調節する受容体分子を発見: https://www.tohoku.ac.jp/japanese/press_release/pdf2008/20080909.pdf)) **樹状細胞の成熟((樹状細胞における細胞表面 MHC-II 分子の発現制御機構 古田和幸: http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2014/08/86-01-10.pdf)) [#cd641316] [[末梢組織]]に局在する未成熟の樹状細胞([[細菌]]などの病原性[[抗原]]を取り込んだことのない)は、[[ファゴサイトーシス]]や[[エンドサイトーシス]]による[[細胞]]外からの物質取り込み能が高く、周囲に存在する[[タンパク質]]などを絶えず取り込んでいるが、[[細胞]]表面への[[発現]]は少なく[[抗原提示]]能は低い。 しかし、病原性の[[抗原]]を取り込むと、[[病原体]]由来成分が[[Toll様受容体]]([[TLR]])を刺激するため[[樹状細胞]]は活性化(成熟)され、[[細胞]]表面の[[MHCクラスⅡ分子]]および[[CD40]]、[[CD86]]といった[[共刺激]][[分子]]の[[発現]]量が上昇し、[[樹状細胞]]は高い[[抗原提示]]能を持つようになる。 **樹状細胞の種類((東邦出版 星野泰三 吉田朋子 共著 がんのプレシジョン免疫学(2017/8/21)))((「樹状細胞:免疫の監視細胞」稲葉カヨ「樹状細胞とは一口に言うと、どのような細胞?」: http://www.jsi-men-eki.org/general/qa_pdf/inada.pdf))((西東社 カラー図解 免疫学の基本がわかる事典 鈴木隆二(2015/6/3)))((熊本大学学術リポジトリ 高橋潔 樹状細胞の発生、分化と成熟: http://reposit.lib.kumamoto-u.ac.jp/handle/2298/10436)) [#k1112a03] 樹状細胞は存在する[[組織]]や[[リンパ球]]との関わりによって以下のように分類される。 -[[T細胞]]関連樹状細胞 --[[骨髄系樹状細胞]](全身) --[[形質細胞様樹状細胞]](全身) --[[ランゲルハンス細胞]]([[表皮]]) --[[相互連結性嵌入細胞]]/[[指状嵌入細胞]]([[胸腺髄質]]や[[リンパ節副皮質]]) --[[真皮樹状細胞]]([[真皮]]) --[[ヴェール細胞]]([[輸入リンパ管]]) -[[B細胞]]関連樹状細胞 --[[胚中心樹状細胞]]([[胚中心]]) --[[濾胞樹状細胞]]([[リンパ濾胞]]) 通常の樹状細胞を[[古典的樹状細胞]]と呼んで他と明確に区別する場合がある。
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