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*脳由来神経栄養因子&size(16){(brain-derived neurotrophic factor : BDNF)}; [#lca3cc69] [[神経栄養因子]]、[[マイオカイン]]のひとつ。[[神経細胞]]の発生や成長、再生、[[シナプス]]の形成などに関わる[[タンパク質]]。[[TrkB受容体]]の[[リガンド]]。 [[神経細胞]]の発達期および損傷後の生存および可塑性に対する強力な作用を有し、主に[[神経細胞]]によって産生されると考えられている。[[in vitro]]では活性化した[[T細胞]]や[[B細胞]]、[[単球]]などの[[炎症細胞]]からも[[分泌]]されることが報告されている。((日本薬理学雑誌 多発性硬化症における免疫病態とグラチラマー酢酸塩(コパキソン<sup>®</sup>皮下注20 mgシリンジ)の免疫調整作用 横山和正 服部信孝: https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/148/2/148_105/_article/-char/ja/)) 実際に、[[大脳皮質]][[運動野]]の損傷に伴って破壊された[[皮質脊髄路]]の再生を脳由来神経栄養因子が促進していることが確認されている。 >片側の[[大脳皮質]][[運動野]]を損傷すると、運動をつかさどる[[皮質脊髄路]](ひしつせきずいろ)が破壊され、反対側の半身(対側)の前後の[[足]]に重い運動障害が引き起こされますが、徐々に運動障害は回復します。その際、損傷されていない側の[[皮質脊髄路]]を調べてみたところ、その[[皮質脊髄路]]が[[脊髄]]内で新たな[[神経回路]]を形成して、運動機能を回復させることを発見しました。また、[[脊髄]]内で[[発現]]する神経栄養因子[[BDNF]]が、この新しい回路の形成を促していることが分かりました。((脳の障害による麻痺が自発的に回復するメカニズムを解明 ―脳神経疾患後遺症に対する治療法の開発に光― — 大阪大学: http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/ResearchRelease/2012/04/20120402_1)) その他にも学習や[[記憶]]、[[情動]]、摂食、[[糖代謝]]にも関わるとされる。[[視床下部腹内側核]]から[[分泌]]される脳由来神経栄養因子は[[レプチン]]や[[コレシストキニン]]の下流で摂食を抑制する。((中枢性摂食調節機構について 空腹・満腹のメカニズム 太田一樹(管理栄養学科・教授): http://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170530175924.pdf?id=ART0009880)) [[運動]]([[筋肉]]の収縮)によって[[分泌]]量が増加することや、[[アルツハイマー病]]の患者は[[分泌]]量が少ないことなどが確認されている。脳由来神経栄養因子が増えると[[海馬]]が大きくなり、[[うつ病]]や[[アルツハイマー病]]の予防に効果があることが示唆されている。((脳由来神経栄養因子(BDNF)の役割と運動の影響: http://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/handle/2324/13951/p049.pdf))((久野譜也 寝たきり老人になりたくないなら大腰筋を鍛えなさい 10歳若がえるための5つの運動)) [[IL-6]]と同様に、[[AMPK]]の作用を増強して[[アセチルCoAカルボキシラーゼ]]の働きを抑制し、[[アシルCoA]]の[[ミトコンドリア]]内への移送を増加することで[[脂肪酸]]の[[β酸化]]を促進する。((広島女学院大学論集 運動負荷とエネルギー代謝調節機構: http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hju/detail/1018420120316093504)) [[知覚神経]]において、[[触覚]]や[[圧覚]]の維持に関わる。((学位論文要旨詳細 ジーンターゲティングにより作製したニューロトロフィン-3欠損マウスの研究 東條英明: http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/gazo.cgi?no=213106))
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*脳由来神経栄養因子&size(16){(brain-derived neurotrophic factor : BDNF)}; [#lca3cc69] [[神経栄養因子]]、[[マイオカイン]]のひとつ。[[神経細胞]]の発生や成長、再生、[[シナプス]]の形成などに関わる[[タンパク質]]。[[TrkB受容体]]の[[リガンド]]。 [[神経細胞]]の発達期および損傷後の生存および可塑性に対する強力な作用を有し、主に[[神経細胞]]によって産生されると考えられている。[[in vitro]]では活性化した[[T細胞]]や[[B細胞]]、[[単球]]などの[[炎症細胞]]からも[[分泌]]されることが報告されている。((日本薬理学雑誌 多発性硬化症における免疫病態とグラチラマー酢酸塩(コパキソン<sup>®</sup>皮下注20 mgシリンジ)の免疫調整作用 横山和正 服部信孝: https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/148/2/148_105/_article/-char/ja/)) 実際に、[[大脳皮質]][[運動野]]の損傷に伴って破壊された[[皮質脊髄路]]の再生を脳由来神経栄養因子が促進していることが確認されている。 >片側の[[大脳皮質]][[運動野]]を損傷すると、運動をつかさどる[[皮質脊髄路]](ひしつせきずいろ)が破壊され、反対側の半身(対側)の前後の[[足]]に重い運動障害が引き起こされますが、徐々に運動障害は回復します。その際、損傷されていない側の[[皮質脊髄路]]を調べてみたところ、その[[皮質脊髄路]]が[[脊髄]]内で新たな[[神経回路]]を形成して、運動機能を回復させることを発見しました。また、[[脊髄]]内で[[発現]]する神経栄養因子[[BDNF]]が、この新しい回路の形成を促していることが分かりました。((脳の障害による麻痺が自発的に回復するメカニズムを解明 ―脳神経疾患後遺症に対する治療法の開発に光― — 大阪大学: http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/ResearchRelease/2012/04/20120402_1)) その他にも学習や[[記憶]]、[[情動]]、摂食、[[糖代謝]]にも関わるとされる。[[視床下部腹内側核]]から[[分泌]]される脳由来神経栄養因子は[[レプチン]]や[[コレシストキニン]]の下流で摂食を抑制する。((中枢性摂食調節機構について 空腹・満腹のメカニズム 太田一樹(管理栄養学科・教授): http://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170530175924.pdf?id=ART0009880)) [[運動]]([[筋肉]]の収縮)によって[[分泌]]量が増加することや、[[アルツハイマー病]]の患者は[[分泌]]量が少ないことなどが確認されている。脳由来神経栄養因子が増えると[[海馬]]が大きくなり、[[うつ病]]や[[アルツハイマー病]]の予防に効果があることが示唆されている。((脳由来神経栄養因子(BDNF)の役割と運動の影響: http://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/handle/2324/13951/p049.pdf))((久野譜也 寝たきり老人になりたくないなら大腰筋を鍛えなさい 10歳若がえるための5つの運動)) [[IL-6]]と同様に、[[AMPK]]の作用を増強して[[アセチルCoAカルボキシラーゼ]]の働きを抑制し、[[アシルCoA]]の[[ミトコンドリア]]内への移送を増加することで[[脂肪酸]]の[[β酸化]]を促進する。((広島女学院大学論集 運動負荷とエネルギー代謝調節機構: http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hju/detail/1018420120316093504)) [[知覚神経]]において、[[触覚]]や[[圧覚]]の維持に関わる。((学位論文要旨詳細 ジーンターゲティングにより作製したニューロトロフィン-3欠損マウスの研究 東條英明: http://gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/cgi-bin/gazo.cgi?no=213106))
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