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*血管平滑筋(vascular smooth muscle) [#k4be9915] [[血管]]の断面の円周方向に配列し、自律的に収縮・弛緩することによって[[血管]]径を制御する[[平滑筋]]。[[毛細血管]]には[[平滑筋]]がない。 [[ノルアドレナリン]]が[[平滑筋]]の[[α受容体]]を刺激すると、[[カルシウムイオンチャネル]]が開き、[[細胞]]内の[[カルシウムイオン]]濃度が上昇して[[血管]]が収縮する。((東邦大学 薬学部薬物学教室 田中光 行方衣由紀 濵口正悟 心筋-バーチャルラボラトリ 循環系と血圧 血管平滑筋: http://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/shinkin/circulatory/circl-2-1.html)) >[[交感神経]]性[[血管]]収縮[[神経]]の末端から放出された[[ノルアドレナリン]]は、[[αアドレナリン受容体]]に作用し、[[細胞質]][[カルシウム]]濃度を上昇させ、[[Ca2+]]感受性を亢進させて、血管平滑筋を収縮させる。[[副交感神経]]性[[血管]]拡張[[神経]]から放出された[[アセチルコリン]]は[[内皮細胞]]の[[ムスカリン受容体]]に作用し、[[内皮細胞]]から[[血管]]物質(主に[[NO]])を産生させ、[[血管]]を拡張させる。((九州大学 大学院医学研究院 附属心臓血管研究施設 分子細胞情報学部門 血管平滑筋の収縮:実習の背景: http://www.molcar.med.kyushu-u.ac.jp/lecture%20notes/LabPractice_background.pdf)) **血管平滑筋の収縮と弛緩((日薬理誌 次世代治療 Rho キナーゼ阻害薬 肺動脈性肺高血圧症におけるRho キナーゼ経路の役割 福本義弘: https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/143/4/143_178/_pdf)) [#n088ee46] [[ミオシン軽鎖]]の[[リン酸化]]を介した血管平滑筋の収縮は以下のように起こる。 +[[アンジオテンシンⅡ]]などの刺激に応答して、[[細胞]]内の[[Gタンパク質]]に[[共役]]した[[ホスホリパーゼC]]([[PLC]])の作用により、[[イノシトール三リン酸]]([[IP3]])が生成される。 +[[IP3]]は[[細胞]]内の[[カルシウムイオン]]貯蔵部位([[筋小胞体]])上の[[カルシウムイオンチャネル]]を開口することにより[[カルシウムイオン]]放出を惹起し、[[細胞]]内の[[カルシウムイオン]]濃度を上昇させる。[[細胞膜]]にも[[カルシウムイオンチャネル]]が存在し、様々な刺激に応答して[[チャネル]]が開口し、細胞外からの[[カルシウムイオン]]流入が引き起こされる。 +[[筋小胞体]]からの放出、および[[細胞]]外からの流入により上昇した[[細胞]]内[[カルシウムイオン]]は、[[カルモジュリン]]と結合して[[Ca2+/カルモジュリン複合体]]を形成し、[[MLCK]]の[[触媒]][[サブユニット]]に結合して[[MLCK]]を不活性型から活性型に変換する。 +活性型[[MLCK]]が[[MLC]]を[[リン酸化]]すると、[[ミオシン]]頭部に存在する[[Mg2+-ATPase]]の[[アクチン]]による活性化が引き起こされ、血管平滑筋は収縮する。 +その後、[[細胞]]内[[カルシウムイオン]]濃度が低下すると、[[カルシウムイオン]]は[[カルモジュリン]]から解離して[[MLCK]]は不活性化される。その結果、[[MLCPh]]が優位になり、[[MLC]]は[[脱リン酸化]]されて血管平滑筋は弛緩する。 これに対し、[[Rhoキナーゼ]]は[[カルシウムイオン]]濃度非依存的に血管平滑筋の収縮・弛緩を制御できる。 活性化された[[Rhoキナーゼ]]は、[[MLCPh]]の[[ミオシン]]結合[[サブユニット]]を[[リン酸化]]することによりその活性を阻害し、その結果[[MLCK]]/[[MLCPh]]活性のバランスが崩れ、[[MLC]]の[[リン酸化]]が上昇することで血管平滑筋が収縮する。
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*血管平滑筋(vascular smooth muscle) [#k4be9915] [[血管]]の断面の円周方向に配列し、自律的に収縮・弛緩することによって[[血管]]径を制御する[[平滑筋]]。[[毛細血管]]には[[平滑筋]]がない。 [[ノルアドレナリン]]が[[平滑筋]]の[[α受容体]]を刺激すると、[[カルシウムイオンチャネル]]が開き、[[細胞]]内の[[カルシウムイオン]]濃度が上昇して[[血管]]が収縮する。((東邦大学 薬学部薬物学教室 田中光 行方衣由紀 濵口正悟 心筋-バーチャルラボラトリ 循環系と血圧 血管平滑筋: http://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/shinkin/circulatory/circl-2-1.html)) >[[交感神経]]性[[血管]]収縮[[神経]]の末端から放出された[[ノルアドレナリン]]は、[[αアドレナリン受容体]]に作用し、[[細胞質]][[カルシウム]]濃度を上昇させ、[[Ca2+]]感受性を亢進させて、血管平滑筋を収縮させる。[[副交感神経]]性[[血管]]拡張[[神経]]から放出された[[アセチルコリン]]は[[内皮細胞]]の[[ムスカリン受容体]]に作用し、[[内皮細胞]]から[[血管]]物質(主に[[NO]])を産生させ、[[血管]]を拡張させる。((九州大学 大学院医学研究院 附属心臓血管研究施設 分子細胞情報学部門 血管平滑筋の収縮:実習の背景: http://www.molcar.med.kyushu-u.ac.jp/lecture%20notes/LabPractice_background.pdf)) **血管平滑筋の収縮と弛緩((日薬理誌 次世代治療 Rho キナーゼ阻害薬 肺動脈性肺高血圧症におけるRho キナーゼ経路の役割 福本義弘: https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/143/4/143_178/_pdf)) [#n088ee46] [[ミオシン軽鎖]]の[[リン酸化]]を介した血管平滑筋の収縮は以下のように起こる。 +[[アンジオテンシンⅡ]]などの刺激に応答して、[[細胞]]内の[[Gタンパク質]]に[[共役]]した[[ホスホリパーゼC]]([[PLC]])の作用により、[[イノシトール三リン酸]]([[IP3]])が生成される。 +[[IP3]]は[[細胞]]内の[[カルシウムイオン]]貯蔵部位([[筋小胞体]])上の[[カルシウムイオンチャネル]]を開口することにより[[カルシウムイオン]]放出を惹起し、[[細胞]]内の[[カルシウムイオン]]濃度を上昇させる。[[細胞膜]]にも[[カルシウムイオンチャネル]]が存在し、様々な刺激に応答して[[チャネル]]が開口し、細胞外からの[[カルシウムイオン]]流入が引き起こされる。 +[[筋小胞体]]からの放出、および[[細胞]]外からの流入により上昇した[[細胞]]内[[カルシウムイオン]]は、[[カルモジュリン]]と結合して[[Ca2+/カルモジュリン複合体]]を形成し、[[MLCK]]の[[触媒]][[サブユニット]]に結合して[[MLCK]]を不活性型から活性型に変換する。 +活性型[[MLCK]]が[[MLC]]を[[リン酸化]]すると、[[ミオシン]]頭部に存在する[[Mg2+-ATPase]]の[[アクチン]]による活性化が引き起こされ、血管平滑筋は収縮する。 +その後、[[細胞]]内[[カルシウムイオン]]濃度が低下すると、[[カルシウムイオン]]は[[カルモジュリン]]から解離して[[MLCK]]は不活性化される。その結果、[[MLCPh]]が優位になり、[[MLC]]は[[脱リン酸化]]されて血管平滑筋は弛緩する。 これに対し、[[Rhoキナーゼ]]は[[カルシウムイオン]]濃度非依存的に血管平滑筋の収縮・弛緩を制御できる。 活性化された[[Rhoキナーゼ]]は、[[MLCPh]]の[[ミオシン]]結合[[サブユニット]]を[[リン酸化]]することによりその活性を阻害し、その結果[[MLCK]]/[[MLCPh]]活性のバランスが崩れ、[[MLC]]の[[リン酸化]]が上昇することで血管平滑筋が収縮する。
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