健康用語WEB事典

α-グルコシダーゼ(α-glucosidase)

多糖類が持つグリコシド結合α-1,4結合)を加水分解する反応を触媒する酵素の総称。デンプンオリゴ糖の非還元末端からグルコースを1分子ずつを切り出す。

マルターゼイソマルターゼスクラーゼラクターゼなどの総称で、二糖類三糖類単糖加水分解する。*1

グルコアミラーゼでは、切り出したグルコースβ-アノマーに転換されるのに対し、α-グルコシダーゼはα-アノマーのままである。また、グルコアミラーゼグルコース分子間の結合のみを分解するが、α-グルコシダーゼはグルコースが他の以外の化合物にα-結合している配糖体にも作用する。

小腸上皮細胞に存在する酵素であるマルターゼイソマルターゼスクラーゼなどはα-グルコシダーゼの一種。*2

α-グルコシダーゼの働きを抑制するとが吸収されにくくなるため、食後の血糖上昇を軽減できるとされる。それを目的としたα-グルコシダーゼ阻害薬が実際に使用されている。

消化管内のα-グルコシダーゼは炭水化物消化吸収に必要な酵素です。一方で、糖尿病患者にとっては食べた炭水化物が余り早く消化吸収されてしまうのは、急激な血糖値の上昇につながるので避けたいところです。*3

*1α-グルコシダーゼ阻害剤を生産する菌株の開発及び応用(株)ニューバイオエンタープライズ(岡山大インキュベータ): http://www.orpc.okayama-u.ac.jp/tenji/file/pdf/chie/2008_booth/12syokuryo.pdf
*2国立大学法人 大阪教育大学 アミラーゼを題材とした酵素反応の実際 理科教育講座 川村三志夫: http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~cse/2010chukourikakawamura.pdf
*3北海道大学 農学部/大学院農学院/大学院農学研究院 研究紹介: http://www.agr.hokudai.ac.jp/fbc/work.html

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このページの最終更新日時: 2018-04-19 (木) 14:26:38