健康用語WEB事典

カルニチン(carnitine)

ミトコンドリアにおける脂肪酸の取り込みに必要な有機化合物肝臓腎臓アミノ酸リジンメチオニンによってトリメチル化されて生成される。98%が骨格筋心筋に存在する。*1*2

カルニチンの化学構造

エナンチオマーのうち、L-カルニチンにのみ生理活性作用がある。過去にはビタミンBTと呼ばれた。食品では肉類や貝類に多く含まれるが、鶏卵や野菜にはほとんど含まれない。

カルニチンの体内合成量は加齢によって減少する。欠乏によって筋肉の萎縮や心筋の機能異常が起こるとされる。*3

ミトコンドリアの機能障害の軽減(ミトコンドリア膜の安定化作用)や、心筋細胞ミトコンドリアからのシトクロムcの放出を抑制して、そのアポトーシスを防ぐ働きがある。*4

カルニチンアシルCoAからアシルカルニチンが合成される。

カルニチンの体脂肪抑制効果に関する報告によると,運動条件下のラットに対してカルニチンを投与した場合,無投与よりも多くの飼料摂取したにもかかわらず,蓄積脂肪量は少なかった.適度な運動とカルニチンの摂取が体脂肪を抑制するものと思われる.*5

*1L-カルニチンの脂肪酸に対する心筋ミトコンドリア保護作用 矢野博己 Michael J. Kremenik 長野隆男: http://www.kawasaki-m.ac.jp/soc/mw/journal/jp/2013-j23-1/P27-36_yano.pdf
*2九州沖縄農業研究センター周年放牧研究チーム 常石英作 カルニチン:https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/53/6/53_6_361/_article/-char/ja/
*3がん悪液質の病態と管理 片山寛次 福井大学医学部附属病院がん診療推進センター: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspen/30/4/30_917/_article/-char/ja/
*4(岡山大学学術成果リポジトリ 脂肪酸ストレスに対するL-カルニチンの心筋ミトコンドリア機能と形態保護作 小柳えり: http://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/4/48433/20160528092840274179/K0004483.pdf
*5九州沖縄農業研究センター周年放牧研究チーム 常石英作 カルニチン

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このページの最終更新日時: 2018-12-17 (月) 08:25:34