健康用語WEB事典

コラーゲンペプチド(collagen peptide)

ゼラチン加水分解したもの。サプリメントなどで市販されている。

コラーゲンペプチドの摂取による関節痛や骨粗鬆症の改善効果、魚の鱗から取れるコラーゲン経口摂取によるヒアルロン酸の増加が報告されている。

コラーゲンを可溶化したものがゼラチンであり,このゼラチン酵素などで加水分解したコラーゲンペプチドは,化粧品,食品などにも様々に用いられている.我々はコラーゲンペプチドを経口摂取するとアミノ酸だけではなく,アミノ酸のジ・トリペプチド体が血中に移行することを見出しており,特にコラーゲン特有のヒドロキシプロリンを含むペプチドが多く血中に移行し,長時間血中に滞留していることを報告している.… プラセボ群との客観的な比較により,魚鱗コラーゲンペプチド5g以上を4週間摂取した30歳以上の群において,有意に皮膚角質水分量の改善が認められた.これに対し,豚皮コラーゲンペプチドでは,有意差がみとめられなかった.*1

ゼラチンは、そのままでは吸収されにくいため、それを改善するためにコラーゲンペプチドという形にして使用している。

生体内のコラーゲンは加熱処理などによって分解し,ゼラチンとして抽出可能である。この際,三重螺旋構造を持つ分子量約30万のコラーゲンは,構造が崩壊した約10万のゼラチンヘと変化する。ゼラチンは水に溶けにくく,摂取後の吸収性も良くないと考えられてきた。そこで,ゼラチン酵素低分子化した「ゼラチン加水分解物」「コラーゲンペプチド」が調製された。*2

コラーゲンペプチドの摂取による効果は、タンパク質アミノ酸に分解されることで他のタンパク質と区別がつかなくなるという理由で疑問視されることが多かったが、分解後もコラーゲン特有のアミノ酸配列(ペプチド)が維持されることが確認されている。

10数年前まで摂取後のコラーゲンがどのように体内で作用するかが明らかになっていなかった。そのため,プラセボ(思い込み/自己暗示による)効果を疑う声が多かった。またある科学者には,「コラーゲンペプチドは,摂取後消化器官で,アミノ酸にまでに分解されるため,特有の効果は期待できない。ほかのタンパク質を摂取するのと大差ない」と言われてきた。… 2005年,この問題を部分的に解決した研究論文が発表された。岩井らは,コラーゲンペプチドの摂取後のヒト血液から,低分子化した複数のペプチドを発見した。ヒト血液中で検出されたペプチドは,2つ,または3つのアミノ酸が結合したペプチドで,Pro-HypHyp-GlyのようにHypを含んでいた。この研究成果は,コラーゲンペプチド摂取後,「アミノ酸までに分解されずに体内に吸収される」そして「コラーゲン特有のHypを含むため,ほかのタンパク質摂取では生じない現象」という,重要な意味を持っている。*3

*1コラーゲンペプチド経口摂取による皮膚角層水分量の改善効果 | AgriKnowledge: http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010771147
*2東京家政大学 2015年3月号(重村泰毅) 月間フードケミカル: http://www.tokyo-kasei.ac.jp/Portals/0/data/rids/2015%E5%B9%B43%E6%9C%88%E5%8F%B7%EF%BC%88%E9%87%8D%E6%9D%91%EF%BC%89.pdf
*3東京家政大学 2015年3月号(重村泰毅) 月間フードケミカル

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このページの最終更新日時: 2017-12-04 (月) 18:06:18