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コンドロイチン硫酸(chondroitin sulfate)

コンドロイチン硫酸化した有機化合物グルコサミノグリカンのひとつ。グルクロン酸グルコサミンの繰り返し単位が直鎖状に結合したヘテロ多糖分子式は C13H21NO15S *1

コンドロイチン硫酸の化学構造

血管のない軟骨水分や栄養を届ける役割を持つ。経口摂取によって軟骨コンドロイチン硫酸が届けられるかは不明であり、関節痛の改善効果があるかどうかは疑問視されている。*2

ある症状においては、損傷部位に蓄積することが確認されている。

コンドロイチン硫酸は、慢性化した多発性硬化症などの脱髄疾患の脱髄巣や脊髄損傷の傷害部位に蓄積し、神経線維神経髄鞘の再生の妨げになることが判っています。*3

軟骨細胞外基質として多く存在するが、皮膚など結合組織神経系組織にも広く存在する。特に成体の神経系では、神経再生を阻害する細胞外因子として損傷後の急性期に発現する。*4

成人の内において神経の成長を抑制的に調節する。子どものでは、抑制性神経細胞の働きを活発にさせ、の成長期を促す作用があることが報告されている。*5

コンドロイチン硫酸の種類*6

R1〜R3に結合する原子団が一部異なる。

これらは通常、タンパク質と結合してプロテオグリカンとして様々な組織細胞表面や細胞外基質に存在する。*7

*1Chondroitin sulphate | C13H21NO15S - PubChem: https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/chondroitin%20sulfate#section=Top
*2技術評論社 石浦章一 タンパク質はすごい! 心と体の健康を作るタンパク質の秘密(2014/1/5)
*3プレスリリース - 髄鞘形成に関わる新規分子機構の発見 〜コンドロイチン硫酸鎖の新たな役割〜: http://www.nibb.ac.jp/press/2016/07/22.html
*4新潟大学 糖鎖合成酵素を制御することで“中枢神経損傷からの再生治療”へ期待: https://www.med.niigata-u.ac.jp/bc2/news/press.pdf
*5新潟大学 《コンドロイチンが大脳の柔軟性を制御する》 脳内コンドロイチンによる神経回路の成長促進: https://www.niigata-u.ac.jp/wp-content/uploads/2017/10/291003.pdf
*6千葉科学大学紀要 ヘパラン硫酸プロテオグリカン - 細胞と組織のオーガナイザー: https://cis.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=92&item_no=1&page_id=13&block_id=21
*7神経突起伸長作用を持つコンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸糖鎖の合成と活性評価: https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-21710233/21710233seika.pdf

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このページの最終更新日時: 2020-09-30 (水) 19:10:01