健康用語WEB事典

ビリルビン(bilirubin)

胆汁に含まれる黄色い色素。前駆体ビリベルジン

ビリルビンの化学構造

ビリルビンは直接ビリルビン抱合ビリルビンD-BIL)と間接ビリルビン非抱合ビリルビン)に分けられ、この2つを合わせたものを総ビリルビンT-BIL)と呼ぶ。

血漿にも含まれ、血液検査の項目のひとつ。基準値は 0.2〜1.0mg/dL。通常のビリルビンの量は血液1dL当たり1mg以下であるが、3mgを超えると黄疸となる。*1

ビリルビンは血液中のタンパク質であるアルブミンと結合して肝臓に輸送されます。肝臓ビリルビングルクロン酸と抱合した後、胆汁の成分として捨てられます。*2

尿便の色はこのビリルビンの色であるが、胆管が塞がると尿血液中のビリルビンの増加によって濃い紅茶色となり、便直接ビリルビン腸管に排泄されないため灰白色となる。*3*4*5

ビリルビンの作用

抗酸化作用を持つ。新生児は多くのビリルビンを持っており、環境の変化に対応するために、その抗酸化作用が必要とされる。*6

一方で、過剰に蓄積すると核黄疸ビリルビン脳症)などの原因となる。また、肝臓の機能が低下してビリルビンが血液中に溜まると皮膚が黄色くなる黄疸が起こる。

ビリルビンは光エネルギーによって立体異性体フォトビリルビン)に変換される。*7

*1日本臨床検査専門医会 松尾収二 ビリルビンって何? 調べると何が分かるの?: http://www.jaclap.org/labo/labo-305-6.html
*2ヘモグロビン | 生物学科 | 東邦大学: http://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/023713.html
*3金沢医科大学 川原弘 ビリルビン代謝: http://www.kanazawa-med.ac.jp/~hiromu/new_page_16.htm
*4大腸のふしぎ: http://mhm.m.u-tokyo.ac.jp/pdf/MHM_Catalog09.pdf
*5名古屋大学大学院 腫瘍外科学 - 患者様への診療案内 - 専門としている病気の種類 - 胆道外科: https://www.med.nagoya-u.ac.jp/tumor/patient/tando.html
*6柴原茂樹研究室 東北大学大学院医学系研究科細胞生物学講座分子生物学分野 研究テーマ: http://www.mbap.med.tohoku.ac.jp/ShibaharaResearchJ.html
*7KAKEN — 研究課題をさがす | 高ビリルビン血症に対する光療法の研究 (KAKENHI-PROJECT-05671033): https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05671033/

ご意見・ご要望をお聞かせください。


ビリルビンに関する情報を検索
[学術機関を検索] [政府機関を検索]



添付ファイル: filebilirubin.png 閲覧数 846回 [詳細]

この用語を編集/画像添付
このページの最終更新日時: 2018-09-15 (土) 09:23:27